なぜいま解散風?

また解散風が吹いています。今春も衆参同日選説の解散風が吹き荒れ、秋になって再びの解散風の突風です。下村博文氏などの安倍総理側近が解散風を吹かせているところが、ちょっと引っ掛かります(嘘っぽい気もします)。

この時期に解散総選挙をやる必然性はありません。公明党が嫌がるから東京都議会選挙と時期をずらす必要があるのかもしれませんが、都議選以降に先送りしてずらすことも十分可能です。

日露交渉で成果を出して「北方領土解散」という説も出回っていますが、日露交渉で大きな成果が出るのか疑問です。2島先行返還では、世論は沸騰しない気がします。北方領土交渉は簡単ではなく、プーチン大統領は単なる親日家ではありません。柔道が好きだから親日家という図式は成り立たず、KGB出身の超実利主義者です。プーチン大統領は、冷静に自国の国益と自らの権力基盤をしっかり守ることでしょう。欧米諸国の経済制裁下で日本の経済協力は大きな意味があるでしょうが、それだけで4島を戻してくれるほどプーチン大統領はお人よしでもないように思います。たいした成果がないのなら、解散の理由にはなりにくいです。

衆議院と参議院の両方で与党が3分の2の議席を持ったのは、歴史上初めてのことです。自民党の歴代首相もなし遂げることができなかった、夢のような議席数です。自民党内の論理としては「3分の2の議席を持っているいまこそ憲法改正のチャンスだ。いま憲法改正の発議をしなかったらいつやるんだ」ということになるでしょう。憲法改正は安倍総理の夢でもあると思います。

しかも自民党内の護憲勢力は、かつてないほど弱体化しています(すでに絶滅したかもしれません)。河野洋平元衆議院議長などは、「憲法9条は守らなくてはいけない」と公然とおっしゃっていました。護憲派・ハト派の自民党議員は、もはや無視し得るほど少数派になっているのだと思います。

安倍総理の目線に立って合理的に考えれば、憲法改正の発議をして国民投票と衆院選を同日にして「ダブル投票」にするのがベストではないかと思います。衆院選と国民投票をセットにすれば、憲法改正に向けた運動がしやすくなります。反発の多い9条改正には手を付けず、当たり障りのないプチ改憲であれば、公明党も乗りやすいし、野党の反対も腰砕け気味になって弱くなります。そうなると来年の通常国会で憲法改正の発議をし、来年秋の臨時国会で解散して、衆院選と国民投票のダブル投票という形になります。

憲法改正を実現すれば、安倍総理の名前は歴史に残ります。日露平和条約に加えて、憲法改正や東京オリンピックを実現したいというのが、「歴史に名を残したい病」にかかっている安倍総理の目標だと思います。

私が推測する「安倍総理の野望と利害」によれば、安倍総理にとってベストの解散時期は来年秋ということになります。したがって、なぜこの時期に解散風が吹き荒れているのかわかりません。これまでも安倍総理は、私の想像を超える判断を下してきました。「大義なき解散」などという批判は、安倍総理にはまったく効果がありません。カエルの面に何とやらです。「相手が弱ければ、解散してやっつけてしまえ」というストリート・ギャング的な発想で解散総選挙をやってきたのが安倍総理です。「大義」とか「権力の濫用」とか、まったく気にしない総理大臣なのだと思います。

したがって、私の予測が外れることも、想定しておかなくてはいけません。早ければ年内解散総選挙も想定しなくてはいけません。世間の大方の予測は来年1月解散で2月総選挙というラインのようです。年明け早々に解散総選挙になっても対応できるよう、全力を尽くして準備したいと思います。

関連記事