都議選の衝撃波とその影響

小池知事率いる都民ファーストの圧勝。自民党の惨敗。民進党も「2番じゃダメ」どころか5番目。予想以上の自民党の惨敗と予想通りの民進党の惨敗でした。この衝撃波は政局に大きな影響を与えます。思いついたことを箇条書きするとこんな感じです。

1)安倍一強の終わりが見えた。「自民党が強いわけではなく、それに代わる選択肢がなかっただけ」ということが明確に可視化された。

2)フランスのマクロン新党の躍進を見るように、既成政党への不信が都民ファーストという素人集団への支持につながった。小池新党の政策に何ら新しさはないが、ラッピングが新しくて「自民党より良さそう」という勝ち方だったと思う。

3)小池知事がギリギリまで自民党を離党しなかったように、都民ファーストは政策的には中道右派(あるいは右派)の政党である。自民党が右派、都民ファーストが中道右派という構図になった。中道層の票を都民ファーストがつかんでいる。本来、中道層の票こそ民進党が獲得しにいくべき票だった。

4)民進党には主張がなかった。既成政党の一部としか見られず、新しさもなく、主張も不鮮明だった。勝てる要素はゼロだった。とんがった主張があればまだ健闘したかもしれないが、何にもなかった。あいかわらず「批判だけの政党」と見なされた。「自民批判票」と「小池知事批判票」の両方が、主張の明確な共産党に流れ込む構図になった。

5)都民ファーストの国政進出の可能性は高まった。国会議員5人を集めて政党をつくるのは簡単である(無所属の議員を集めるだけ)。しかし、新党は資金でいつも苦労する。政党助成金の申請のために、新党は12月末までに設立されることが多い。そのため自民党が、新党結成前の年内に解散総選挙を打つ可能性が出てきた。

6)安倍総理としては3分の2の議席を持っているうちに、憲法改正の発議だけはやりたいはず。今年秋の臨時国会で憲法改正を発議し、6か月後に国民投票ということにして、今年12月ごろに解散総選挙を打つという可能性も考えられる。衆議院で3分の2を失ったとしても、憲法改正は実現できる。もっともそこまでの体力が安倍総理にあるかという疑問もある。

7) 民進党は抜本的に今の方針を見直さざるをえない立場だが、そのことを執行部が理解しているか不明。主張を鮮明にしなくてはいけない。前原氏の「尊厳ある生活保障」総合調査会が提言しているように、社会保障の充実、再分配強化(格差是正)、脱・新自由主義の路線を明確化し、あえて「良い増税」を訴えるくらい、とんがった主張を前面に出さないと、もはや民進党には存在価値がない。「反・新自由主義革命」といってもよいような、思い切った路線転換が必要である。

関連記事