中選挙区マインドの自民党:京都3区補選

自民党の宮崎謙介衆議院議員の辞職にともない、今年4月に京都3区で補欠選挙が行われます。自民党は候補者を立てず、不戦敗の見込みと報道されています。

自民党は、小選挙区制における二大政党の当事者としての役割を理解していません。政権政党として自民党(百歩ゆずって公明党)が候補者を立てるのは、義務ですらあります。

小選挙区に候補者を立てるのは、有権者に選択肢を示すために不可欠なことです。勝ち負けを基準に考えて、「負けそうだからやめとこう」という低次元の話ではありません。

小選挙区の不戦敗というのは、政権政党としての義務を放棄しており、矜持に欠けます。情けない限りです。

民主党もすべての小選挙区に候補者を立てているわけではありませんが、少なくともその努力を放棄することは許されません。政権を目指す政党として、民主党は、他党との選挙協力を行う小選挙区を除いて、すべての空白区を埋める努力を続けるのが筋です。

また、前回の衆議院選挙では、福岡1区で自民党系候補が2名立ち、選挙に勝った方を公認する、という中選挙区制のマインドそのままの対応をとりました。党の選対委員長が「2人には無所属でさわやかに戦ってもらう」と言って、自民党公認候補はいないのに、自民党系候補者が2名という選挙戦になりました。これでは福岡1区の自民党支持者は、政策で候補者を選ぶことができません。小選挙区制を導入したときの大義や趣旨に反します。

中選挙区制のもとでは、他党の候補者との競合よりも、同じ自民党候補者同士の競合が激しく、政策論争よりもサービス合戦・利益誘導中心の選挙戦になってしまい、金権政治・派閥政治の原因となりました。その反省に立って小選挙区制度が導入されたわけです。中選挙区時代には、保守系無所属候補が当選したあとに自民党に入党するというのも日常茶飯事でした。

しかし、政権選択選挙、マニフェスト選挙としての小選挙区制の性格を考えれば、「同じ自民党系候補が小選挙区で戦い、勝った方を党本部が公認する」というのは、まったく筋が通りません。小選挙区では、二大政党がそれぞれ候補者を立てて、有権者に選択肢を示すことが重要です。

個人的には、小選挙区制度よりも、少数意見や多様な意見を反映しやすい比例代表制が望ましいと思います。しかし、好き嫌いはさておき、すでに小選挙区制を導入している以上、その制度にあった対応をとるのが政党としての義務です。

自民党には、小選挙区時代の二大政党の一方の当事者としての自覚がありません。いまだに自民党幹部は、中選挙区マインドで政治をやっています。中選挙区マインドのままだから、弱体化したとはいえ派閥政治が続き、利益誘導的体質が変わってないのだと思います。自民党政権では、官邸機能の強化といった政府の改革は進みましたが、政党の改革・政治改革は進まず、古い体質のままのようです。

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