参院選の敗北を受けて

今回の参議院選挙の福岡県選挙区では、民進党公認の古賀ゆきひと候補は見事にトップ当選しました。しかし、全国的には自民党の圧勝でした。改憲勢力が3分の2の議席を得て、憲法改正が現実味を帯びてきました。安倍1強の状況は変わりません。野党共闘が一定の成果をあげたといえるかもしれませんが、やはり3分の2を阻止できなかったことを考えれば民進党の敗北といえるでしょう。

今の民進党が多くの有権者に信頼されていないことが明らかになりました。世論調査によると、国民の多くは景気回復を実感しておらず、アベノミクスを支持していません。改憲に賛成する国民も必ずしも多数派ではありません。それでも自民党が圧勝したのは、有権者が「民進党は頼りない」と考えているせいだと思います。安倍政権批判や改憲阻止の訴えだけでは、有権者に支持されませんでした。民進党はこの結果を謙虚に受け止め、敗因を分析した上で、次の国政選挙に向けて党の改革に努める必要があります。

安倍政権への高支持率がこの先も続くとは限りません。自民党政権の失政が明らかになった時に、代わって政権を担える政党が必要です。政治が緊張感を保つためには、与党と拮抗する野党が不可欠です。自民党に対抗するために民進党が結党されましたが、準備不足のまま参院選に突入して敗退しました。民進党の組織づくりはこれからです。民進党が政権政党へと発展できるか否かは、これからの党改革にかかっています。

諸外国の例を見ると野党時代に思い切った党改革を実行し、国民の信頼を得て政権を獲得した政党は多いです。しかし、2012年12月に民主党が下野したあとも党改革の動きは鈍く、党改革よりも野党再編に力を入れてきました。参院選の結果を見ると、野党再編の結果はさほど効果的ではなく、今度こそ党改革に力を入れるべきです。

残念ながら「まず3分の2をとらせないこと」というメッセージは、やや後ろ向きの印象を与え、多くの有権者の心に響きませんでした。もちろん安倍流の改憲は論外なので、3分の2をとらせないことは大事です。しかし、それだけを訴えても、有権者は動きませんでした。改憲阻止や安保法反対は、まん中より左側の人には響きますが、中間のボリュームゾーンの人たちには響きませんでした。子どもの貧困問題や格差問題、社会保障問題をもっと中心テーマに持ってくるべきだったと思います。もちろん党の公約にはそういう政策も入っていましたが、打ち出し方が中途半端だったと思います。

安倍政権が「経済再生」最優先でくるなら、民進党は「社会再生」を訴えて対抗すべきだったと思います。経済政策という相手の土俵で議論すると、予算権限をもっている与党に有利になります。争点の設定(アジェンダ・セッティング)で最初から負けていました。

民進党がこの敗戦をどう総括して次につなげるかが重要です。無反省なままだと政権への道は遠くなります。次の国政選挙は衆議院議員選挙です。それまでに敗因分析の上に、かなり思い切った党改革を実行する必要があると思います。党内の調和を優先するよりも、対立を恐れずに徹底して議論した方がよいと思います。このままでは自民党政権の暴走を止められません。政権政党をめざして本気で党改革に取り組む必要があります。

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