民進党代表選:歳出削減か? 増税か? 借金か?

昨日(9月4日)久留米市で民進党代表選の候補者集会が開かれました。蓮舫さん、前原さん、玉木さんの3人の候補者が集まり、公開討論とその後の街頭演説会が開かれました。

私自身は3者の誰とも特別な関係はありません。面識はありますが、特に親しいということもなく、お世話になったこともあまりありません。前回の代表選では、以前から個人的に岡田さんにお世話になっていた義理もあり、政治家としての岡田さんを尊敬していたので、迷わず岡田さんに投票しました。今回の代表選候補者の3者とは、等距離(近くない等距離)という感じです。

あえて言うなら、前原外務大臣時代にODA政策について衆院予算委員会の質疑で批判したことがあるので、前原さんは私に対して好印象を持っていないかもしれません。前原外務大臣はインフラ輸出等の経済中心の外交方針にシフトし、それを批判してODAを人道目的や貧困対策中心にするように提言した記憶があります。もっともそんな昔のことは、前原さんも覚えてないと思います。

というわけで、誰に投票するかは、いまの段階では決めておりません。9月15日の臨時党大会まで決めず、福岡3区内のいろんな人の声を聴いて決めたいと思います。

しかし、せっかく公開討論会で3人の候補者の政見を聴いたので、感想を“なるべく客観的”にコメントしたいと思います。新聞やテレビの報道では、各候補者の主張のごく一部しか伝えません。細かな違いはマスコミ報道では伝わりません。党内の選挙ですから、差異は微妙になりがちです(党内で意見が大きく異なると困ります)。微妙な差異かもしれませんが、特に気づいた点について述べたいと思います。

私が一番印象に残った差異は「消費税増税のその先」です。3候補者とも延期していた消費税増税を実行することでは一致していたと思います。その次のステップが、大きく異なります。あくまで私の印象論ですが、3者の「その先」は次のようなイメージです。

蓮舫さん:事業仕分けの実績を踏まえ、ムダ削減(歳出削減)の行政改革に取り組み、財源を確保する。

前原さん:ムダ削減だけでは財源はねん出できない。消費税増税の次には、租税特別措置の削減(=企業向け減税措置の撤廃)や相続税の増税を行う。

玉木さん:新たに「子ども国債」をつくり、年間5兆円の借金をして子ども政策や家族政策に投資する。

さらに単純にいえば、

「蓮舫=歳出削減」

「前原=増税」

「玉木=借金」

という図式になります。

大きく異なる点です(微妙どころではありません)。どの路線を選択するかが、大きな分かれ道になります。

3人の候補者すべてが、子どもの貧困対策や教育費(幼稚園・保育園・大学)の無償化や低減化、介護サービスの充実を訴え、福祉や教育では差異がほとんどありません。党内のコンセンサスができたということです。

「受益」を増やすことには、異論はほとんどありません。しかし、「受益」を増やすために、「負担をどうするか」が重要です。そこでの差異が、「歳出削減」「増税」「借金」で三者三様の主張になります。

皆さんは3つのオプションのうちどれがよいとお考えでしょうか? この質問には「正解」はありません。あるのは、優先順位に関する「選好」のみです。代表選の重要な判断材料だと思います。