美容師さんがカンボジアで学校3校建設

今年になってFacebookを始めました。SNSには苦手意識があってやりたくなかったのですが、高校の同級生のFacebookページがあると聞き、そのページにアクセスすることを目的にFacebookを始めました。同級生サイトにアクセスするのが第一の目的なので、Facebookで「友達」を増やしたり、広報活動したりするつもりはありませんでした。

それでも大学関係とか、NGO関係とか、政治関係とか、いろんな人とつながるので便利だとわかり、ちょくちょくチェックするようになりました。Facebookをやってみると、何年も会っていなかった遠くの人から連絡が入ることがあり、それもまた楽しいものです。10年ほど前に知り合った美容師さんからFacebookの友達申請がありました。

その美容師さんは、川崎市の菅原さんという方で、美容師としての専門性をいかして「チャリティカット」というボランティア活動を仲間と一緒にされていました。地震の被災地で被災者の髪を無料でカットするといった活動をスタートに、募金を集めるための「チャリティカット」というイベントを開催されていました。美容師さんが無報酬で髪を切る代わりに、募金してもらうというイベントです。

菅原さんたちは、最初のころは日本赤十字社や24時間テレビに寄付していたそうですが、「自分たちで途上国に学校を建てたい」と思い立ったそうで、相談を受けました。小さな学校(教室数3室くらい)でも400~500万円はかかります。相当な覚悟がいるボランティア活動です。

本業が美容師さんのボランティアグループが、いきなりカンボジアに行って学校を建てるのは現実的ではありません。現地事務所に日本人駐在員がいて日本語で連絡調整ができて、専門性の高いNGOに協力してもらうのが一番だと判断しました。そこで、教育支援で実績のあるシャンティ国際ボランティア会(SVA)というNGOを推薦しました。私がしたことは、単にシャンティ国際ボランティア会を紹介しただけです。

その後、10年近くたちました。Facebookでシャンティ国際ボランティア会のページを見ていたら、菅原さんたちのグループがこの10年間でカンボジアに3校の学校を建設したことを知ってびっくりしました。いつの間にか美容師さんたちのボランティアグループが、NPO法人に発展し、継続的に「ボランティアカット」等の活動を通じてカンボジアの学校建設資金の募金を続けてきたそうです。学校3校を建設するには数千万円かかりますが、それを実現するだけの組織力と実行力を有するNPOに成長していました。

*ご参考: http://pric.asia/

その菅原さんとFacebookのおかげで7年ぶりに交流できました。菅原さんからあたたかいメールをいただきました。そこには短いけれど、ほんとうにうれしい言葉がありました。

山内さんのお陰で3校建ち、来年は4校目です。
山内さんのお陰で今日があります。

私はシャンティ国際ボランティア会を紹介しただけですが、日本の美容師さんや市民の善意が、小学校の校舎という形になり、カンボジアの子どもたちの教育環境の改善に役立っていると思うとうれしくなります。日本の子どもの教育問題も大事だし、カンボジアの子どもの教育の問題も大事です。口先介入だけで何もしていない私ですが、菅原さんの言葉であたたかい気持ちになれました。これからもドンドン学校を建ててほしいと思います。