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2006/07/10

尊敬される日本−平和創造国家ニッポン−をつくる方法

 行動する平和主義こそが今の日本外交に求められている。平和主義と言うと左翼の専売特許のような印象を受けるかもしれないが、口先だけの平和主義ではなく、また一国平和主義でもない、世界で尊敬される「平和創造国家」を築いていくことがこれからの日本外交の戦略目標であるべきだ。

国際的に人権意識が高まりつつあり、国連は人権理事会の創設を決め、日本も理事国に選ばれた。日本も国際的な人権保護に積極的に貢献すべきである。人権侵害の最たるものが北朝鮮の拉致問題であり、拉致問題解決に向け北朝鮮と対話を続けるにせよ、圧力をかけるにせよ、国際社会の支持が必要である。北朝鮮の人権侵害だけを非難して、他国の人権侵害を見過ごすことは道義的に許されない。また、日本にとって都合の良い時だけ国際社会を頼っても理解を得られない。日頃から国際的な人権保護に地道に貢献することが、近隣諸国との問題を解決していく上でも大きな意味を持つ。

近隣諸国との関係で言えば、経済発展に伴う中国の外交的影響力の増大が著しく、競争相手として中国を意識せざるを得ない。中国は軍事援助や武器輸出を通じてアフリカや中南米で影響力を増しているが、日本は同じ土俵で戦うべきではなく、日本が比較優位を持つ分野で影響力を強化すべきである。日本は、非西欧の民主主義国家であり、 ODA 大国であり、かつ、科学技術と経済規模ではいまだ優位にある。軍事援助や武器輸出を行っていない点、また、専守防衛に徹して核兵器を保有していない点でも道義的に優位にあり、中国の軍事援助に対して、日本は平和のための援助を強化して対抗すべきである。

 戦後日本は紛争当事者に軍事援助、武器輸出や軍事介入を行ったことがない。イラク人の地雷除去専門家が「私は日本が好きだ。世界中のいろんな国で作られた地雷を除去してきたが、一度も日本製の地雷を除去したことがない。」と言った。武器輸出に係る既得権益のない日本だからこそ、武器取引の問題に関して自由な立場から大胆に提言できる。紛争当事者、テロ組織や犯罪組織に殺傷能力の高い武器が流れないように、武器取引の国際的規制に取り組むべきである。

また、日本は世界で唯一の被爆国であり、また核兵器を保有していないため、核の拡散防止のために積極的に発言できる立場にある。核の軍事転用の防止と平和利用の促進に日本の技術力で貢献できる。核拡散防止の国際的枠組みづくりに協力することは、世界の平和と安定に役立つと同時に北朝鮮の核開発阻止にも有益である。

キリスト教国でもイスラム教国でもない日本は、中近東やアジアにおいて文明間・宗教間の紛争解決に中立的第三者として介入できる。また、アフリカではいまだに紛争が続く国々が多いが、日本はアフリカで植民地支配の経験がなく、中立的で良い印象を持たれている。さらに日本は世界第2の ODA 大国であり、 ODA による復興援助の約束を交渉材料として和平を促すことができる。日本は内戦が続く国々で和平工作を行いやすい条件に恵まれている。また、スーダンのような紛争終結国の復興支援に ODA を優先的に配分し、平和の定着に貢献できる。

ODA は引き続き重要な外交ツールである。貧困や社会的不公正がテロの温床になることは広く認識されている。紛争地やイスラム圏における貧困削減や社会的弱者支援への ODA の活用は、平和的テロ対策と言える。こうした認識の下、日本を除く先進国は ODA を増やしつつある。

 国際社会の法と秩序の維持にも日本が貢献できることは多い。これまでも府中の国連アジア極東犯罪防止研修所での研修や旧共産圏の法整備支援を通じ、日本は世界の司法制度づくりに貢献してきた。さらにジェノサイド(集団虐殺)や拷問等の人道に対する罪を処罰する国際刑事裁判所( ICC )に参加し、国際社会の最も深刻な犯罪の撲滅に努力すべきである。国際社会のルールづくりは欧米諸国だけでできることではなく、日本がアジアの代表として国際社会のルールづくりに主体的に参画すべきである。

世界の平和創造に貢献するという首尾一貫した誠実な外交姿勢を貫くことが、国際社会の信頼と尊敬を勝ち得る最善の方法であり、平和創造国家ニッポンを目指した外交戦略を考えていく時期に来ている。

 

 

 

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