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2005/12/21

スマトラ島沖地震・津波から1年 〜息の長い復興支援が必要〜

昨年 12 月 26 日に発生し、 20 万人以上の死者行方不明者を出したスマトラ島沖地震・津波から1年。筆者は昨年 12 月末にインドネシアのスマトラ島で NGO の緊急人道援助活動に参加した。先月ユニセフ議員連盟の一員として約 1 年たったスマトラ島を再訪した。津波に関して日本政府はいち早く支援に乗り出し、援助約束額は 5 億ドルにのぼる。うち 7000 万ドルがユニセフ(国連児童基金)に拠出された。今回は津波被災地におけるユニセフの教育、保健医療、水と衛生等の支援活動を中心に視察した。

ユニセフは被災直後より、子どもセンターでの心のケア、学校再開支援、給水設備の設置と運営、児童買春防止対策等を現地政府、 NGO 、地域コミュニティとの連携のもとに行ってきた。「もっと住みよい社会の構築」を目標としており、現地の人々が再び自らの手で地域の発展を促進していけるよう、様々な形で地域に根ざした支援を行っている。日本のユニセフへの拠出金によって、「学校に戻ろう!」キャンペーン、マラリア対策用蚊帳の配布や麻疹予防接種、給水事業などが行われ、被災者(特に子ども)の生活の改善に着実に貢献している。被災地の現場では、日本の援助であることを明記した看板や垂れ幕、シールがあちらこちらに見受けられ、日本の貢献を示すという意味でも十分な効果をあげている。

また、日本は独立行政法人国際協力機構( JICA )や国際協力銀行( JBIC )による二国間援助も実施している。 JICA は、 国際緊急援助隊による緊急医療、都市防災専門家の派遣、津波の早期警戒システム構築、道路建設等の支援を行ってきた。地震国である日本特有の防災技術、災害後の復興のノウハウといった「日本らしさ」をいかした技術協力への評価は高い。

津波の予期せぬ影響のひとつが、今回訪問したアチェ州に見られた。アチェでは、過去 30 年近く反政府独立派ゲリラ( GAM )と政府軍との紛争が続き、外国人の立ち入りは制限されていた。今年 8 月に和平協定が結ばれて紛争は一段落し、ゲリラ兵士の武装解除・社会復帰が進みつつあった。災害後の国際援助受入に伴い、外国人がアチェに入れるようになり、国際社会注視のもとに平和が定着しつつある。アチェの人々の「もう戦争はこりごりだ」という住民感情があるのはもちろんのこと、国際社会の支援活動の成果があると思われる。津波をきっかけに国際機関や国際 NGO 、海外メディアがアチェに入り、「草の根の停戦監視団」として機能している。援助機関の外国人が現場にいることで、住民に対する人権侵害が発生しにくい雰囲気が作り出されている。また、再び紛争が始まれば、国際援助が止まってしまう恐れがあることから、援助の継続を望む住民は紛争を望んでいない。直接・間接に国際援助が平和の定着に貢献しており、国際社会の継続的な支援が求められる。

1年前の津波の破壊のすさまじさを考えると、困難な状況の中で予想以上に復興が進んでいる印象を受けた。ユニセフ等の国際機関、 ODA 実施機関( JICA と JBIC )のそれぞれが専門性をいかし、現地政府や被災者の自助努力を支え、復興と平和の定着に向けて働いている。被災地や紛争地の復興のための国際援助を通じて、「国際社会の平和と安定に貢献する日本」というイメージを広めることは、日本の外交力を強化し、間接的に日本の安全保障にも貢献する。厳しい財政状況下にあるものの、日本の持つ最強の外交カードである政府開発援助( ODA )を減らしてはならない。

 

 

 

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