「ゼロコロナ」政策への転換を

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新型コロナウイルス感染が広がり、最初の緊急事態宣言が出されたのは昨年4月7日です。それから1年以上がたちましたが、感染拡大は第4波におよび、オリンピック・パラリンピック開催も危ぶまれています。日本経済新聞は1面見出しで「1年間何をしていたのか」と政府を厳しく批判しています。これまで政治はコロナ危機に適切に対応してきたのでしょうか?

ふり返ると安倍・菅政権のコロナ対応は、後手後手と思いつきの連続でした。中国からの渡航制限が遅くなったのは、習近平国家主席の国賓訪日に配慮したためとの指摘があります。当初はPCR検査体制を充実させるよりも、「37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合」に検査を限定し、検査数の抑制を優先しました。諸外国が全力でPCR検査数を増やすなかで、日本だけが「PCR検査を増やすと医療崩壊を起こす」という謎の理屈で検査数を抑制しました。その後も政府のPCR検査増加の取り組みは後手後手で、PCR検査数は先進国で最も少ない部類に入ります。感染症対策の世界標準は「検査と隔離」です。PCR検査を軽視してきたツケが4波にわたる感染拡大です。

思いつき対応の象徴は「アベノマスク」と学校一斉休校です。アベノマスクは論外です。学校の一斉休校は、全国に混乱を招き、その割に感染抑制効果は薄かったと言われています。そもそも総理大臣に学校休校を命じる権限はなく、法的にも問題がありました。感染拡大が収束する前の段階でのGo Toキャンペーンも弊害が指摘されています。飲食店やホテル旅館業には、Go Toキャンペーンではなく、手厚い休業補償により、経済支援と感染抑制を両立すべきでした。

今年4月下旬からは一部地域で医療崩壊の危機が迫っています。日本の人口当たりの病床数は断トツの世界一です。それなのにコロナ患者用の病床数が不足しているのはシステムの問題です。日本よりもコロナ感染者数が多い国でも、国が全力をあげてコロナ病床を確保し、何とかやり繰りしている例があります。政府のマネジメントや優先順位に問題があるとしか考えられません。緊急事態宣言の早すぎた解除とその結果のリバウンド。感染抑制よりも経済対策や聖火リレーを優先した判断ミスです。政治の責任は大きいです。

政府の「ウィズコロナ」政策から「ゼロコロナ」政策への転換

政府はこれまでコロナと共存する「ウィズコロナ」政策をとってきたように見えます。その結果、感染抑制と感染拡大の波を繰り返し、経済低迷や生活不安が続いています。それに対し、私たち立憲民主党は「ゼロコロナ」政策をめざします。台湾やニュージーランドのような島国で成功した対策は「ゼロコロナ」政策と言えるでしょう。日本にふさわしいのは「ゼロコロナ」政策です。

まず「検査と隔離」を徹底します。ワクチン接種が終わっていない人のPCR検査を公費で助成し、PCR検査数を大幅に増やします。感染者を早期に把握し、隔離して感染を封じ込めます。封じ込めの期間中の休業補償や生活支援を拡充します。さらに出入国管理を厳格化し、変異株の国内流入を水際で止めます。

コロナ禍で広がる所得格差を是正するため、失業者やひとり親世帯への支援、家賃支援や学生支援を充実させます。収入が減った医療機関への財政支援を拡充し、コロナ患者受け入れが減収につながらないようにします。医療従事者・介護従事者への慰労金を支給し、“エッセンシャルワーカー”を応援します。

日本のワクチン接種率は先進国最低です。多くの発展途上国よりも低い接種率の責任は政府にあります。ワクチン接種は、河野ワクチン担当大臣、西村コロナ担当大臣、田村厚生労働大臣ほか、だれが司令塔なのかわからない状態で混乱しています。「船頭多くして船山に上る」の典型です。テレビ出演に熱心なだけの大臣は置かない方がマシです。錯綜した情報、乱立するシステム等、これまでのワクチン接種の仕組みを検証し、指揮系統を明確化して、国と地方自治体の連携を強化します。また、過去二十年以上にわたって「小さな政府」のかけ声で保健所や公的医療機関を削減してきましたが、その流れを逆転させ、感染症や災害に強い地域医療を再構築します。今こそ「ゼロコロナ」戦略への転換が必要です。

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