立憲民主党と国民民主党の合流話【政党ブロックで政権交代も】

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このところマスコミの野党関連報道では、立憲民主党と国民民主党の合流話がよく出ています。合流交渉は幹事長レベルの話だし、先週の両院議員懇談会は地元日程があって欠席していて、現状はよくわかりません。私も報道ベースの情報しか知りません。

しかし、地元活動をしていても、国民民主党との合流について質問されたり、ご意見をお聴きすることが多いです。そこで立憲民主党の現職議員として自らの考えを表明する必要があると思い、書かせていただきます。

私の考えは次の通りです。

  1. 政治理念や基本政策で一致できるのであれば、合流すればよい。逆に言えば、基本政策や理念が一致しないのに、無理やり合流する必要はない。
  2. 政党名の「立憲民主党」は、立憲主義をないがしろにしてきた安倍政権と対峙する上で良い名前である。また、2017年衆院選と2019年参院選と2度にわたって国政選挙を戦い、有権者に書いていただいた政党名なので大事にすべき。
  3. 仮に合流交渉がうまく行かなかった場合には、連立政権をめざして「政党ブロック(政党連合)」を組み、共通政策(共通公約)を掲げて政権交代をめざすべき。

合流交渉がうまく行けばそれも良し。合流できなくても、欧州で見られる「政党ブロック」で選挙協力をすればよいと思います。

以下に2020年1月26日付ブログ「政党ブロックで政権交代をめざす方法」というブログを再掲させていただきます。新型コロナウイルス危機が起きる前、東京オリンピック・パラリンピックの延期決定の前に書いたブログですが、いまの時期にもう一度お読みいただきたいと思います。

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政党ブロックで政権交代をめざす方法(2020年1月26日ブログ再掲)

先日のブログで「政党ブロック(政党連合)」について書きました。あまり詳しく書いていなかったので、今日は詳しく書かせていただきます。政党ブロック(政党連合)を理解するには、遠回りですが、その対語を理解するとスムーズだと思います。政党ブロックの対語は、二大政党制といえます。

選挙制度は、政党のあり方を決めます。二大政党制はふつう小選挙区制とセットです。政治学では「n+1の法則(デュヴェルジェの法則)」という法則があり、選挙区定数(n)に1を加えた数が、有力な政党数となります。

この法則にしたがえば、定数4の選挙制度では有力な政党は5つできます。比例代表制では有力な政党に加えて小政党が多数できます。55年体制下では自民党の派閥は5つでした。当時の派閥は「疑似政党」とみなすことができ、中選挙区の定数(4~5が多かった)の影響で五大派閥に収れんしました。

そして1人区(=小選挙区)の場合、定数1に1を足すと、有力な政党は2つということになります。つまり二大政党制です。長期的には小選挙区制のもとでは必ず二大政党制に収れんします。

日本で二大政党制が定着しないのは、衆参に比例区があり、参院の3人区や4人区、5人区があるためです。完全な小選挙区制ではないので、完全な二大政党制には至りません。「n+1の法則」が作用する限り、現行の選挙制度のもとでは二大政党制にはならないでしょう。

事実、自民党は二大政党制を志向せず、公明党と連携しており、きわめて現実的な対応といえます。与党の自公が現実的な対応をしている一方で、「二大政党制をめざすべき」とする考えの人が野党陣営にはまだいます。しかし、繰り返しますが、政治学の「n+1」の法則により、二大政党制はおそらくムリです。

現実的なのは政党ブロック(政党連合)による政権交代です。スウェーデンなどの欧州のいくつかの国では、政党ブロックで政権交代を実現した例が見られます。連立政権があたり前なのが、欧州の多くの先進民主主義国の現実です。

また「民主党政権」という言い方が一般的ですが、実際には「民主党・社民党・国民新党の3党連立政権」というのが正しい表現です。3つの政党からなる政党ブロックによって2009年の政権交代は実現しました。野党にも政党ブロックで政権交代を実現した成功体験があるわけです。

衆議院選挙は、小選挙区を中心とする選挙です。小選挙区では与党の候補者に対し、野党が1対1の勝負に持ち込めるか否かがカギになります。野党候補の一本化が重要なのは、誰でも理解できます。

小選挙区の野党候補の一本化のためには、立憲民主党と国民民主党が合流する必然性はありません。昨年の参院選ではすべての1人区で候補者調整が実現し、一定の成果をあげました。共産党などとの選挙区調整によるすみ分けは必要ですが、立憲民主党と国民民主党の合流とは別問題です。

比例区に関しては、いわゆる「死票」は少ないので、それぞれの政党が競い合っても何ら問題はありません。全野党の得票数が伸びることが大切ですが、立憲民主党と国民民主党が合流しても全野党のトータルの得票数には大きな影響はないでしょう。

ひょっとすると合流することでかえって野党全体の票を減らす可能性さえあります。中道保守的な色彩の強い国民民主党がなくなれば、その票は自民党に流れる可能性もあります。国民民主党が存在するおかげで、一部の穏健保守票を野党陣営にせき止めている可能性があります。

したがって、比例区に関しては、立憲民主党と国民民主党とで1つの政党をつくる意味はそれほどありません。むしろ逆効果かもしれません。

他方、立憲民主党と社民党との合流は、比例区でプラスの効果を発揮する可能性があります。衆議院の比例区は、北海道、東北、北関東、南関東、東京、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州とありますが、社民党が当選者を出しているのは九州ブロックのみです。その他のブロックで社民党に投じられた票は死票になっています。その票を立憲民主党の得票に上乗せすれば、野党の当選者数を増やせる可能性が出てきます。

忘れてはいけないのは、2016年3月の旧民主党と「維新の党」の合流による「民進党」の結党です。民主党から民進党に変わったからといって、有権者の反応はあまり変わりませんでした(反対意見もけっこうありました)。民進党への合流直後の参院選で大躍進したということもありませんでした。「2つの党が合流して大きくなれば、それだけで有権者の期待感が高まる」というわけではないことを示す好例です。「合流すればうまくいく」といっている人たちの根拠がよくわかりません。

立憲民主党と国民民主党の合流交渉が休止状態になった今こそ、政党ブロック(政党連合)での政権交代をめざす方向に舵を切るべきだと思います。「野党がバラバラ」という印象が強いと政権の受け皿とはみなされません。異なる政党間で連携する枠組みが必要です。

その出発点となるのは国会内の共同会派です。昨年秋の臨時国会では共同会派が効果的に機能しました。始まったばかりの通常国会でさらに連携協力体制を強化することは可能だと思います。

過去の日本の政治史をふり返ると、細川連立内閣のように選挙後に連立相手を探すのはあまり望ましいと思いません。選挙のあとになって連立交渉を始めるのでは、ストレートに「有権者の選択」ではないからです。選挙で選ばれた国会議員が連立交渉すること自体は全否定できません。しかし、もし可能であれば、選挙前から連立政権の枠組みを有権者に示した方が、有権者はより納得できると思います。

選挙前に野党ブロックとして、①首班指名者(野党側の首相候補)を決め、②共通政策(政権構想)を示し、③さらに可能であれば影の内閣の閣僚名簿まで作成し、④共同の選挙キャンペーンをやれれば、ベストだと思います。

次の総選挙で野党がめざすべきは、穏健な「中道ブロック」の政権だと思います。自民党の右傾化が進むなか、穏健保守(リベラル保守)層の多くは今の自民党に違和感を覚えていると思います。野党ブロックは、穏健保守(リベラル保守)層から中道層、中道左派(社会民主主義)層まで幅広くカバーできる共通政策を掲げる必要があります。

もちろん野党第一党の立憲民主党の基本政策が中心にくるべきですが、再分配機能を強化して格差を是正するとか、「小さな政府」路線から決別して「責任ある充実した政府」をめざすとか、社会保障制度を立て直しセーフティネットを強化するとか、気候変動対策に真剣に取り組むとか、立憲民主党の基本政策はおおむね全野党が合意できる方向性だと思います。

あるいは、昨年の参議院選挙時の市民連合と野党各党との13項目の政策合意をスタートラインにできるかもしれません。いずれにしても野党ブロックとしての共通政策を作ることは不可能ではありません。

立憲民主党と国民民主党の政策がほぼ一致しているのであれば合流すればよいですが、そうでなけれは「政党ブロック」による連携協力をめざすのは必然です。年内の衆議院選挙の可能性が高いともいわれています。共同会派という協力の枠組みを拡大し、枝野総理、玉木副総理から成る連立政権をめざして具体的な準備を始める時期だと思います。

ご参考まで:2020年1月18日付ブログ「合流してもしなくても:政党ブロックで政権交代」

https://www.kou1.info/blog/politics/post-3509

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