ジェンダーギャップ指数120位:ぜんぜん「女性活躍」じゃない日本

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今年も世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数」が発表されました。今年は156か国中120位という恥ずかしい結果。先進国クラブのG7で最下位は当然ですが、多くの発展途上国と比べても低い位置です。日本のひとつ上の119位はアフリカのアンゴラでした。長期独裁政権が続いたアンゴラに負けました。

ジェンダーギャップ指数が評価するのは「政治」「経済」「教育」「健康」の4つの分野です。日本がいつも悪いのは「政治」分野です。「健康」はふつうですが、「教育」がやや悪く、「政治」がとても悪く、「経済」も悪いというのが定番です。国会議員の女性比率などに基づく「政治」の評価は147位です。女性の国会議員や大臣が増えると、だいぶ改善されます。

しかし、いまの菅政権、自民党政治が続く限りは、ジェンダーギャップ指数の改善は見込めないでしょう。オリンピック・パラリンピック委員会の森喜朗委員長(元総理)の女性蔑視を自民党内から批判する声はさほど上がりませんでした。森元総理があいかわらず影響力を持つ自民党内では、ジェンダーギャップをどうにかしようという意識は低いと思います。

菅政権の男女共同参画担当大臣は、選択的夫婦別姓制度にも反対です。自民党の女性国会議員の多くは、「男社会で生き残るのが上手な女性」というパターンが多いように思えてなりません。自民党が選ぶ女性国会議員は、あまりジェンダー平等推進に熱心ではありません(熱心ではないどころか、邪魔しているケースもあります)。

ジェンダーギャップ指数が低い最大の要因は「政治」分野の後れです。女性議員を増やすには「クオータ制」の導入が効果的です。国として導入できないのであれば、政党として導入したらよいと思います。女性議員を増やそうという本気度を政党間で競うのはよいことです。

女性を差別する男性がいるのも、そうじゃない男性がいるのも、その男性がそれまでに置かれてきた環境に起因すると思います。生まれつきの差別主義者はいなくて、周囲の人たちの言動や教育に影響を受けて差別意識が芽生えるのだと思います。教育環境や職場環境(特に管理職の女性比率)は大事です。

私が卒業した国際基督教大学(ICU)は、昔から女性が差別されることも少なく、男女比もバランスよく(私の頃はやや女性の方が多かった気がします)、女性の卒業生がとても活躍しています。ICU出身の現職の国会議員は現在5人いますが、そのうち男性は私だけです。立憲民主党では大河原雅子衆議院議員と牧山ひろえ参議院議員が先輩です。「ICU卒の国会議員」に限定すれば、女性8割に対して男性2割となり、ジェンダーギャップはなく、むしろ男性の活躍がだいぶ足りてません。

しかし、この現象は単なる偶然とは思いません。ICUでは女性だからといって差別されたり、リーダーシップをとれなかったりということはありません(少なくとも私の知る範囲では)。ICUでは「控え目な女性がよい」みたいな価値観は昔からなかった気がします。大学で男女差別なくのびのびと学び育った女性の卒業生は、社会に出てからも積極的に活躍できることの証左だと思います。ICUの教育環境のインパクトだと思います。

また、新卒で採用されたJICA(国際協力事業団:当時)は、女性の総合職比率も高く、女性が働きやすい政府機関でした。私は1996年にJICAに入団しましたが、第4回世界女性会議(通称:北京会議)の直後でもあり、ジェンダーが国際協力の世界で重要テーマでした。農業でも、教育でも、職業訓練でも、あらゆる分野の技術協力プロジェクトにジェンダーの視点を取り入れることが原則とされ、私もジェンダー研修を受けた気がします。

JICAで最初に配属された部署の2人目の直属の上司(課長代理)は女性で、次に異動した先の部長はICU卒の女性でした。最後にJICAを辞めたときの理事長は緒方貞子さんでした。そういう職場環境で育つと「女性に管理職は務まらない」などというのが妄言だと実感できます。ついでに立憲民主党で私が国対委員長代理をしていたときの上司は、辻元清美国対委員長でした。私の個人的な経験則では、女性の上司の方が、決断が早くて、それでいて緻密です。森元総理はそういう女性の上司にお仕えしたことがないのでしょう。

政治におけるクオータ制導入、官公庁や大企業における女性管理職比率の引き上げなど、女性差別の撤廃に本気で取り組む必要があります。急務です。日本の経済停滞、人口減少(出生率低下)、所得格差拡大の一因になってきたのは、女性に対する差別です。

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