最近、人口と経済について書かれた本を2冊読みました。大学で「人口学」の授業をとって以来、人口に関心を持ち続けてきました。未来予測にあたって人口統計ほど信頼できるデータはありません(とピーター・ドラッカーも言ってました)。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の経済学者で、イングランド銀行(中央銀行)のエコノミストを務めた、チャールズ・グッドハート氏の「人口大逆転」(日経BP)は興味深い本でした。同書は人口動態が世界経済に与える影響をダイナミックに読み解きます。本書の命題をかんたんにまとめると次の通りです。
世界で少子高齢化が進む結果、デフレと経済成長の時代は終わる。世界の人口構成の大逆転が、近い将来にインフレ率と金利の上昇を引き起こす。
アフリカとインドを除けば、世界の人口増加率は大幅に低下……