人口からみる世界的デフレの終焉

最近、人口と経済について書かれた本を2冊読みました。大学で「人口学」の授業をとって以来、人口に関心を持ち続けてきました。未来予測にあたって人口統計ほど信頼できるデータはありません(とピーター・ドラッカーも言ってました)。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の経済学者で、イングランド銀行(中央銀行)のエコノミストを務めた、チャールズ・グッドハート氏の「人口大逆転」(日経BP)は興味深い本でした。同書は人口動態が世界経済に与える影響をダイナミックに読み解きます。本書の命題をかんたんにまとめると次の通りです。

世界で少子高齢化が進む結果、デフレと経済成長の時代は終わる。世界の人口構成の大逆転が、近い将来にインフレ率と金利の上昇を引き起こす。

アフリカとインドを除けば、世界の人口増加率は大幅に低下……

暮らしと経済

人口からみる世界的デフレの終焉

最近、人口と経済について書かれた本を2冊読みました。大学で「人口学」の授業をとって以来、人口に関心を持ち続けてきました。未来予測にあたって人口統計ほど信頼できるデータはありません(とピーター・ドラッカーも言ってました)。 ロン...
平和と外交

マクマスター「戦場としての世界」【書評】

米国の国家安全保障担当大統領補佐官だったハーバート・マクマスター(H・R・マクマスター)氏の「戦場としての世界:自由世界を守るための闘い」(2021年)を読みました。500ページ超の大部の本ですが、ロシア、中国、南アジア、イラン、北...
暮らしと経済

GDP世界ランキングを見て思う

国力を評価する指標には、経済力、人口、地勢(地形、可耕地)、資源(エネルギー、水、食料生産力)、軍事力、技術力などがあります。その中でも経済力はもっとも重要な指標だと思います。G7の経済力が気になって、GDP世界ランキングを見てみた...
政治の動きと分析

英国労働党の5つの使命:日本なら?

英国労働党のメーリングリストに登録しているので、定期的にメールが届きます。党首のキア・スターマー氏の名前で「より良い英国のためのキア・スターマーの5つの使命(ミッション)」というメールが届きました。日本と比較するとおもしろかったので...
暮らしと経済

ローフレーション(low-inflation)という発想

まもなく日銀総裁も交代します。アベノミクスの評価、異次元の金融緩和をどうするのか、金融と経済財政政策が注目されています。その点で最近読んだ「メガスレット:世界経済を破滅させる10の巨大な脅威」はおもしろい本でした。 著者のヌリ...