日本における「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉の認知度が約9割に達しています。他方、日本のSDGs達成度は167カ国中18位ですが、SDGsの17の目標のうち気候変動対策、ジェンダー平等など5つの目標が「最低」の評価を受けています。認知度は上がったが、目標達成には近づいていない、というのが現状です。
SDGsを達成できない理由のひとつが、政府あるいは政治の消極性にあります。2015年にSDGsがスタートして以来、政府はSDGsを「日本の問題というより、発展途上国の問題だ」と見なしてきた傾向が強いです。歴代総理の国連総会発言では、日本のウクライナやパレスチナへの援助が紹介され、いかに発展途上国のSDGs達成に日本が貢献しているかが強調され、日本国内には貧困や人権などの問題が存在しないかのようです。日本が得意な分野のSDGs……