集中力のないことの利点

私の持論は「集中力のないことにもメリットがある」というものです。

最近読んだ「サピエンス異変」という本によると、人類がイスに座るようになったのはごく最近(ほとんどの人にとっては数百年前から、一部の人は数千年前から)のことです。日本人がイスに座るようになったのは、この150年くらいのことです。

人類の身体は長時間イスに座るようにはデザインされていません。長時間イスに座れるようになるのは、学校で小さいころから躾けられるせいだそうです。イスに座るという姿勢はきわめて不自然な体勢で、健康に悪いそうです。腰痛の原因になります。著者はなるべく歩くことを勧め、少なくとも1時間に1度はトイレにいったり、モノをとったりして、イスから立ち上がることを勧めています。

私の場合は、ふだん集中力が5~10分しか続きません。本も1冊の本を集中して読むことはなく、一度に2~3冊の異なる分野の本を並行して読み、2~3分ごとに本を取り換えながら読みます。従って、会議などで無理してイスに座っている場合を除けば、しょっちゅう立ち上がってフラフラ周囲を歩きまわったり、落ち着きなく本棚の資料を見たり、お茶を飲んだりしています。実はこれは健康にはプラスだったようです。

また、私の長年の観察によると、遺伝的要素は別として、「集中力のある人ほど近視になりやすい」傾向があると思います(*実証研究の成果ではなく、私の長年の観察の結果に基づく推論です。)。おそらく、集中して本やパソコンの画面を見つめていると、レンズの調整メカニズムが早めにやられて近視になります。近眼予防には遠くの眺めたり、ときどき見る対象を変えたりすることが有効だと思いますが、落ち着きのない私は自然とそれができています。いまでも裸眼です(最近は老眼が入りつつありますが)。

いちどインターネットでADHD(注意欠陥多動性障害)の自己診断テストを試したことがありますが、軽度のADHDっぽいという結果でした。そのおかげで近視にならず、長時間イスに座り続ける癖がつかず、助かっていると思います。

小学校時代に通知表に「落ち着きがありません」と書かれて以来、落ち着きがないことのメリットを探求し続けてきましたが、「サピエンス異変」を読んで、持論が正しかったような気になっています。なお、最後に、私のこの文章には、何の学術的な裏付けもなく、信用に値しないことを申し添えます。

*ヴァイバー・クリガン=リード 2018年「サピエンス異変」飛鳥新社

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