本会議で討論をしました。

本日(2020年1月28日)衆議院本会議で、令和元年度の補正予算に対する反対討論を行いました。本会議場で登壇する機会はたまにしかありません。当選4回(議員歴11年半ほど)で4回目だったと思います。

先週の金曜日に政調会長から電話があり、政調スタッフなどのサポートを受けながら10分以内の原稿を書きます。原稿は国対委員長や政調会長のチェックを受け、やっと最終稿になります。準備は大変だし、久しぶりなので緊張するし、終わってホッとしております。以下が今日の原稿です。


私は、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議、社会民主党、無所属フォーラムの共同会派を代表し、ただいま議題となりました令和元年度補正予算に対し、反対の立場から討論いたします。

まず本題に入る前に、安倍政権の政治姿勢について申し上げなくてはなりません。昨年の臨時国会では、公選法違反の疑惑をもたれた閣僚がふたり相次いで辞任し、まともに説明責任を果たすことなく、2か月半にわたって雲隠れする、という異常事態が起きました。さらに昨年12月にはカジノ担当の副大臣だった現職国会議員が逮捕されるという、異常事態が続きました。「桜を見る会」をめぐる数々の疑惑、招待者名簿の廃棄という公文書管理の問題など、疑惑のオンパレードです。これらの疑惑に対し、多くの国民が関心を持っており、安倍内閣には説明する責任があります。

しかし、安倍総理も閣僚の皆さんも、真摯に説明し、情報を開示しようという姿勢が、まったく見られません。予算委員会での質疑でも質問に正面から答えず、壊れたレコードのように逃げの答弁を繰り返すばかりです。起きてしまった問題に対する、真摯な反省もなければ、国民に丁寧に説明しよういう謙虚な姿勢も見られません。

本題に入ります。令和元年度は、台風19号をはじめとして、全国各地で数多くの自然災害が発生した年でした。私たち野党も、被災された多くの方々の生活を再建し、地域の復興を加速するため、一刻も早くきめの細かい補正予算の編成を急ぐべきと、主張してまいりました。

したがって、政府提出の補正予算のうち「自然災害からの復旧・復興の加速」に関する予算については当然 必要であり、その内容に異論はありません。しかし、本来であれば、昨年の臨時国会で措置すべき内容でした。自然災害からの復旧・復興は一刻を争うということを考えれば、政府の対応はあまりにも遅かったと言わざるを得ません。

その一方で、補正予算の全体像を俯瞰すると、様々な問題があり、いずれも看過できません。そのため、残念ながら、補正予算全体としては、反対せざるを得ません。以下、その理由を申し述べます。

補正予算の編成目的について、政府は「台風19号など相次ぐ自然災害からの復旧・復興を加速するとともに、経済の下振れリスクに対応するため」としています。しかしながら、今回の補正予算における追加歳出の約4.5兆円のうち「自然災害からの復旧・復興の加速」に関する経費は、約6,900億円にすぎず、全体の2割未満です。

また、「経済の下振れリスク」についても、もともとアベノミクスの失敗によって、個人消費が落ち込んでいたところに、昨年の消費税増税の影響が追い打ちをかけた側面が大きく、経済不振の真の原因を真摯に分析したうえで、的確な対策を講じたものとはなっておりません。

本来、補正予算というのは、年度当初に想定できなかった内容について、やむを得ない事情により編成するものです。しかし、近年、当初予算に計上すべき経費を補正予算に回すことで、次年度の当初予算を少なく見せかける慣行が、定着しています。2020年度の当初予算に入りきれなかった様々な項目を、無理やり補正予算にねじ込んだと思われる、悪乗りの政策経費が散見されます。

補正予算にねじ込むことで、当初予算における国債発行額を少なく見せる、トリックなのかもしれませんが、予算の実際の姿をごまかすものでしかありません。

例えば、今回の補正予算における防衛省予算では、後年度負担の歳出化経費、いわゆる「兵器ローン」の支払いとして多額の予算が計上されています。しかしながら、これは、本来は当初予算として計上すべきものであり、補正予算の性格にはなじみません。また、納期遅れなど問題が多い米国からの対外有償軍事援助、いわゆるFMS調達の支払いにあてる1773億円など、我が国の経済対策とはおよそ無関係な予算も含まれています。

自衛隊の災害派遣にかかる経費を、補正予算で手当てするのは当然のことであり、納得できます。しかし、本来は当初予算で支払うべき兵器ローンの返済まで、補正予算で対応するのは悪乗りです。結果的に令和2年度の防衛予算は実態よりも少なく見えます。防衛費の増加を目立たなくするための手段であることは明らかだと思います。

次に、財政法6条の規定に、前年度剰余金は、2分の1以上を借金の返済にあてるべき、とするルールがあります。しかし、今回の補正予算に際しては、2分の1を超える額を政策経費に活用できるようにする特例法が、国会に提出されております。これは、東日本大震災以来の異例の対応だと承知しております。

今回の補正予算においては、税収欠損と経済対策実施の財源として、多額の新規国債発行が、盛り込まれています。ところが、財源をよく見ると、特例法により前年度の剰余金全体の、約1兆3,000億円が政策経費に活用可能となるのに対し、補正予算における政策経費への充当額は、約8,000億円に過ぎません。特例法なしでも活用可能であった約6,600億円にプラスされる金額は、約1,400億円に過ぎません。その残余額5,000億円あまりは、令和2年度予算へと振り向けられることとされています。

本来であれば、補正予算における新規国債発行額を少しでも抑制するために、これら剰余金の全額は、補正予算で使い切るべきではないのでしょうか。

その一方で政府は、令和2年度予算の編成に際し、新規国債発行額を約1,000億円減額し、これは安倍内閣発足以来8年連続の減額であると宣伝しています。しかし、この1000億円の減額は、補正予算とセットの特例法でねん出した予算を、令和2年度予算の政策経費に流用したからこそ、実現できたにすぎません。

このことは、財政法の趣旨に反するばかりか、あたかも財政が健全化しているかのように見せかける姑息なトリックであり、国民の目を欺くものです。

以上、今回の補正予算の問題点を申し述べ、反対討論を終わります。