合流してもしなくても:政党ブロックで政権交代

2019年末から立憲民主党と国民民主党の「合流」が話題になっています。しかし、なかなか合意に達しません。私は立憲民主党の党名や基本政策を変えることには反対ですが、その点さえクリアできれば「合流」してもよいと思います。

しかし、いまさら党名を変えて新党をつくったり、大切にしてきた基本政策を曲げたりするくらいなら、「合流」する必要はないと思います。「合流」して1つの政党にならなくても、野党共闘の枠組みをつくることができれば、政権交代選挙に持ち込めると思います。

新聞報道をみている印象では、枝野代表もそこまで「合流」にこだわってないように見受けられます。枝野代表は「合流」以外のオプションも考えていると推察します。

仮に立憲民主党と国民民主党が「合流」しなくても野党で連携する方法として、私が以前から主張してきた「政党ブロック(政党連合)」による野党共闘が考えられます。2013年ごろから「政党ブロックで政権交代をめざすべき」と主張してきましたが、今のところそれほど賛同の声が広がっていません。しかし、「合流」がなくなれば、「政党ブロック」による政権交代戦略が唯一の選択肢になると思います。

*ご参考:2018年1月5日付ブログ「今年の政治課題」

今年の政治課題
明けましておめでとうございます。昨年1月の最初のブログを読み返してみると「2017年は反転攻勢」という文章でした。2016年は参院選で自民党が圧勝し、トランプ大統領が誕生し、政治的にはひどい1年でした。2017年こそ「反転攻勢」という意気込...

たとえば、自民党と公明党は20年以上も連携してきました。連立政権を維持してきただけではなく、民主党政権時代に下野していた時期も政党間協力をやめず、強固な「政党ブロック」を維持してきました。

何としても「立憲民主党と国民民主党は合流すべき」という合流論者の主張の背景には、「安倍政権に対抗するために二大政党の一角を担う政党をつくるべき」という発想があると思います。しかし、自民党も二大政党を前提に考えていません。野党も二大政党を前提にする必要はありません。

二大政党制の前提には、小選挙区制があります。小選挙区制と二大政党制の組み合わせといえば、過去のイギリス、それに現在のアメリカがそうです。イギリスやアメリカには、日本メディアも多くの特派員を送り、英語が通じる国なので日本の知識人にもなじみがあります。そのため英米の二大政党制と小選挙区制がセットになった、いわば「アングロサクソン(英米)モデル」が日本政治のモデルのように扱われてきました。

しかし、イギリス政治は脱二大政党化が進んでいます。欧州の比例代表制選挙の国々は以前から二大政党制ではなく、「ゆるやかな多党制」の国が多数派です。「先進民主主義国」というカテゴリーでいえば、英米モデル(二大政党制+小選挙区制)は少数派です。むしろ欧州大陸型の多党制が、先進国標準といっても過言ではありません。

今も二大政党制を維持しているアメリカ政治は、望ましいモデルではありません。トランプ大統領が権勢をふるい、民主主義や人権といった価値観が崩壊しつつあるアメリカはもはやお手本にはなりません。アメリカの政治や制度には今でも見習うべき点が多々ありますが、二大政党制は見習うべき制度とは思えません。

そうなると私がしつこく主張してきた「政党ブロックで政権交代」というのが現実的な選択肢です。「政党ブロック」といっても普及しないので、よりわかりやすい「政党連合」という用語でもよいかもしれません。

欧州の一部の民主主義国では「中道右派ブロック」とか「中道左派ブロック」といった通称で複数(3~5)の政党が政策協定を結んで選挙戦に臨み、政権を担うことがあります。近ごろフィンランドで世界最年少34歳の女性首相が誕生して話題になりましたが、5つの政党から成る「政党ブロック」の連立政権でした。

複数の政党で「政党ブロック」を形成して政権を担う手法は、日本でも実践可能です。自民党と公明党は長年それで安定政権を維持してきました。安定して誤った方向に向かっているのは問題ですが、少なくとも安定性は評価できます。

安倍政権に代わる政権をつくろうとすれば、穏健保守(リベラル保守)から中道左派(社会民主主義)勢力までを包含する「政党ブロック」を形成するのが現実的だろうと思います。その基礎になるのは国会における共同会派です。

安倍一強政治のもとで自民党内の穏健保守(リベラル保守)勢力が弱体化していることもあり、穏健保守(リベラル保守)の人たちからも支持される中道リベラルの「政党ブロック」を構築することが政権交代への道です。

安倍政権下で進んだ格差拡大により社会の分断が進みました。社会の分断を修復し、安心できるセーフティネットを再構築する、融和の政治が必要だと思います。新自由主義的な分断の政治から、ささえ合う社会をめざし、政党間の協力体制を整える「政党ブロック」が、政権交代への第一歩だと私は思います。

立憲民主党と国民民主党の「合流」交渉の結果がどうあれ、野党陣営で「政党ブロック」を形成し、安倍政権に代わる選択肢を示すことが重要です。二党の「合流」が成功するか失敗するかはさほど重要ではなく、他の野党を含めた「政党ブロック」が形成できるか否かがより重要だと私は思います。

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