新党名は「立憲民主党」で!

民主党と維新の党の合流による新党に関し、政党名が話題です。「名は体を表す」と言いますが、「何を目指す政党なのか」を示すためにも名前は重要です。さらに、参議院選挙(ひょっとすると衆議院選挙も?)が近いです。比例区の投票時に有権者に政党名を書いてもらうので、選挙戦術的にも大事です。

個人的には「民主党」という名前を変える必要はないと思います。すでに定着しているし、愛着のある支持者も多いです。自民党が下野したときにも、自民党内で政党名を変えるべきという意見がありましたが、その声は大きくならず、自民党という名称はそのままで政権復帰しました。それを考えると、政党名を変えるかどうかは本質的な問題ではないと思います。しかし、すでに名称を変えることで組織決定済みですし、政党名を変えることに反対しません。

他方、名称だけ変えても意味がないので、名称と一緒に綱領や規約をより良いものにして、イメージも中身も良くしていく必要があります。同時に「何を目指すか」を明確に示す名称にしてほしいと思います。

私が良いと思う新名称は「立憲民主党」です。党内にもこれを推す人は多いです。「立憲民主党」が良いと思うのは、次の3つの理由です。

1.「立憲主義」の政党であることをわかりやすく示せる。

安倍政権になって憲法改正や安保法制の議論が進み、立憲主義の重要性が広く知られるようになりました。おそらく5年前に「立憲主義」と言っても、法学部出身者以外にはよくわからない用語だったと思います。しかし、いまでは新聞を読んでいる人なら、立憲主義の意味はだいたいご存じだと思います。そして立憲主義が危機に瀕している今こそ、政党名に「立憲」を入れることには意味があります。イメージ戦略としても「立憲主義を守る政党」という打ち出しができます。

2.略称が「民主党」になり選挙対策の観点から有効である。

「立憲民主党」だと略称が「民主党」にできるので、参議院選挙で比例区の投票の際に「民主党」と書く人が多くても、無効票や他党への投票になりません。新しい政党名を支持者に浸透させるのは時間がかかります。参議院選挙まで130日ほどです。従来の「民主党」とかけ離れた政党名だと、周知徹底するのに時間と手間がかかり、選挙戦術として不利です。自民党に選挙で勝つことを理由に新党をつくるのであれば、選挙戦術を軽視するわけにはいきません。政党名に「民主」を残すことは選挙戦術上、不可欠です。

3.「立憲」は由緒正しい言葉であり、キラキラネーム感がない。

日本の政党政治の歴史を振り返ると、「立憲」の名を冠した政党はいくつもあります。戦前の二大政党制を担ったのは「立憲政友会」と「立憲民政党」でした。歴史的な政党にも「立憲」の二文字がついていたことを考えると、「キラキラネーム」感はありません。奇をてらうことは避けた方がよいと思います。カタカナの名前とか、何が言いたいのかわからない政党名(例:太陽の党、フロム・ファイブ)とか、やめた方がいいと思います。そう考えると、「立憲民主党」というのは、耳になじみやすく、きわめて正統派の名称だと思います。

新党の名前は「立憲民主党」がよいと思います。