犬養道子さんの訃報に思う

作家の犬養道子さんがお亡くなりになりました。犬養さんの名著に「人間の大地」があります。アフリカの飢餓や難民問題を描いたノンフィクションです。たしか高校生のときに読んだと記憶していますが、とても衝撃を受けました。私が難民問題に興味を持つきっかけのひとつでした。

私の同世代には「人間の大地」を読んで心を動かされ、国際協力の仕事を志した人がたくさんもいます(特に女性に多いです)。「人間の大地」は1990年代に多くの若者の人生を変えた本です。もう20年以上も前に読んだ本なので内容はうろ覚えですが、難民の子どもの描写などは痛々しく、「自分もこういう人たちを助けるために何かしたい」と思わずにはいられなかった記憶があります。

これまでの人生で何千冊と本を読んできましたが、犬養さんの「人間の大地」はもっとも心に残った本のひとつです。この本を読んでいなかったら、私もJICAを退職してNGOに転じ、アフガニスタンの難民キャンプで働くこともなかったかもしれません。

犬養道子さんは本を書くだけではなく、実際に難民支援の募金活動に力を入れ、私が以前に勤務していたNGOにもご寄付いただいていました。犬養毅首相の孫であり、お父様も政治家という名門一家出身の正真正銘のお嬢様でありながら、常に弱い立場の人たちに共感し、アフリカの奥地へも飛んで行くような行動派です。お会いしたことはありませんが、立派な方だったとNGO時代の同僚が言ってました。

久しぶりに犬養道子さんのお名前を見かけたのが訃報だったのは残念ですが、10代の純粋(?)だった頃の自分を思い出す良いきっかけになりました。当時と変わらない気持ちで、国内外を問わず、こまっている人や弱い立場の人たちのためになる仕事をしたいとあらためて思います。

犬養道子さんのこれまでのご貢献に心から敬意を表しつつ、ご冥福をお祈りします。

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