糸島市の小水力発電所:瑞梅寺ダム

私の選挙区内の糸島市には瑞梅寺ダムという県営の多目的ダムがあります。もともとは洪水調整や水道用水の供給を目的として福岡県によって建設されました。そこに平成25年度から福岡県、福岡市、糸島市が連携して小水力発電所を建設し、再生可能エネルギーの地産地消が始まっています。

水力発電用ダムの建設は、自然環境に悪影響を与えることもあり、慎重な対応が求められます。しかし、瑞梅寺ダムの小水力発電の場合は、既存の多目的ダムに水力発電設備を後から設置しただけなので、環境への悪影響はありません。

水力発電による再生可能エネルギー(自然エネルギー)ですから、CO2の排出も抑えることができます。年間の発電量は67万kWh(一般家庭の約190軒分)なので、そんなに規模は大きくありません。しかし、経済性という点では十分に割にあいます。

瑞梅寺ダム小水力発電所の年間の売電収入は2,475万円だそうです。それに対して年間経費は440万円かかります。大雑把にいえば年間収益は2,035万円ということになります。売電益は糸島市の再生可能エネルギー普及促進事業に充当されるそうです。糸島市にとっては貴重な財源です。

瑞梅寺ダムの建設時の事業費は2億3,241万円だそうです。県の補助金が1億円入り、それ以外は糸島市の事業費でまかなわれました。単純に年間収益で建設事業費を割ると、11.42年で建設費を回収できます。大雑把にいえばわずか11年ほどで投下資金を回収できます。これほど投資効率のよい事業は今どき珍しいと思います。ざっくりいえば年間8.75%という高収益事業です。

こんなに投資効率がよくもうかる事業ならどんどん地方自治体は小水力発電事業をやったらよいと思います。ドイツでは地方自治体が公社を設立して再生可能エネルギーの発電事業を実施し、収益をあげつつ、エネルギーの地産地消を実現しています。小水力発電だけではなく、風力発電やバイオマス発電など農漁村部に比較優位のある再生可能エネルギーは地方活性化の切り札だと思います。