政治的中立性を捨てた教科書検定:「民主迷走」「自民安定」

昨日(3月25日)東京新聞(朝刊)の教科書検定の記事に驚きました。記事によるとこんな記述があったそうです。

民主党政権は沖縄の米軍基地移設問題や東日本大震災への対応などで迷走

これは歴史の教科書の記述だそうです。検定意見は付かずに、原文のまま教科書検定を通ったそうです。「夕刊フジ」の見出しかと見紛うばかりの表現が、歴史教科書に出てくるのは異常事態です。

じゃあ「迷わず強引に辺野古移設を進める安倍政権が正しい」というのでしょうか。この教科書の執筆者はそういう判断なのかもしれません。しかし、確立した歴史的評価とはほど遠いと思います。

まだ十分な知識もなく、批判的思考やメディアリテラシーが発達していない中学生や高校生にこんな内容を教科書で教えるのは危険極まりありません。政治的に偏向した歴史教科書を使う学校の生徒は不幸です。

別の公民教科書では、検定意見が付いた後に次のような記述で検定を通ったそうです。

自由民主党以外に安定的に政権を担うことができる政党が形成されなかった

これでは「公民教育」というより「洗脳教育」です。教科書でこんなことを教えたら、まじめな生徒ほど自民党支持になるのは間違いありません。全国の公明党支持者の皆さんも怒った方がいいですよ。

中間テストや期末テストでどんな問題が出ているのか心配になります。たとえばこんな感じでしょうか?

問い)安定的な政権を担うことができる政党を次の選択肢から選べ。

選択肢)(1)社会民主党、(2)自由民主党、(3)公明党、(4)立憲民主党、(5)国民民主党

正解)(2)自由民主党

信じられない教科書が出てきたものです。文部科学省の劣化がこれほど進んでいるとは思いませんでした。教科書検定審議会のメンバーはどんな基準で選んでいるのでしょうか。教育の危機であり、民主主義の危機です。