2018年 予算委員会の攻防をふり返る

1月下旬の補正予算の審議から始まり、2月28日まで続いた衆議院予算委員会の攻防が終わりました。国会対策委員長代理(兼)予算委員の私は、月曜日の朝8時10分から金曜日まで気の抜けない日々が続きました。予算委員といっても自分で質問に立ったのは一度きりですが、予算委員会や国会運営の裏方として国会の廊下を文字通り走り回っていました。

今国会の冒頭は、野党の質問時間削減問題への対応から始まりました。与党が野党の質問時間を減らそうとするなかで、予算委員会理事会で協議するのと同時並行で、野党国対委員長連絡会や与野党国対委員長会談等の場で協議を行いました。私は役職上、野党国対委員長連絡会や与野党国対委員長会談には必ず参加します(ときどきニュースの映像や写真で流れます)。野党国対間の調整も大切です。いちばんご苦労されたのは辻元国対委員長ですが、私も辻元委員長の下でそれなりにがんばりました。

重要な政策課題についての勉強会やヒアリングを主宰することも国対の仕事です。今国会では野党6党合同で森友学園や裁量労働制データ問題のヒアリングを頻繁に開催し、政府からの説明を受けたり、有識者や関係者(過労死家族会等)の意見を聴取したりする場を設けました。野党が一致団結して政府を追いつめた結果、政府は働き方改革法案から裁量労働制を切り離すことを余儀なくされました。

予算委員会中は毎朝8時10分に立憲民主党の国対幹部と予算委員が集まり、その日の予算委員会の対策会議を開きます。質疑者が複数いる日も多く、質疑者間で重複のないように、あるいは、連携プレーで政府を追及できるように、朝の対策会議で調整します。辻元国対委員長や長妻政調会長から指示が出たり、各委員から提案があったりと活発な議論を行い、通常9時スタートの予算委員会に備えます。

予算委員会の質疑中も予算委員会の与党筆頭理事(自民党)と野党筆頭理事(立憲民主党の逢坂代議士)は断続的に協議します。与野党の筆頭理事同士で協議をしながらも、党の国対との連絡調整が必要になるため、私が逢坂理事への伝令として国対控室と予算委員室を行ったり来たりすることも多いです。とにかくよく歩く(走る)のが私の仕事です。毎日1万2000~5000歩は歩いていました。

今国会で私自身は一度しか質問に立たず、裏方の仕事に徹していました。しかし、一度だけ質問した際には、テレビ朝日系報道ステーションや新聞で質疑内容が紹介され、多くの人に見ていただいたようです。

*ご参考:2018年2月10日付ブログ「予算委員会で質問しました。」
www.kou1.info/blog/kokutai/post-2184

終盤では2月26日は深夜まで与野党幹事長会談が何度も開かれ、28日の衆議院本会議は23時まで続くなど、朝から晩まで協議や本会議が入りました。いろんな苦労がありましたが、今年の衆議院予算委員会をふり返ると以下のように総括できると思います。

1)裁量労働制の調査データの問題点を追及し、働き方改革関連法案の裁量労働制の部分を切り離させることに成功しました。裁量労働制の議論では、政策論争で野党が圧勝したといえます。立法府による行政監視がうまく機能した典型例といってもよいでしょう。

2)与党による野党の質問時間削減の動きは、ある程度抑え込むことができました。野党の質問時間はほぼ例年並みの水準でした。他方、与党の質問時間は大幅に増えています。つまり野党の質問時間の比率は低下しましたが、野党の質問時間そのものは例年並みを確保できました。換言すれば、国会全体としての質疑時間が伸びたことになります。国会審議の活性化につながったとポジティブに評価してよいかもしれません。もっとも自民党議員の「ヨイショ質問」の時間が増えたのには閉口しました。

3)今国会で野党はいわゆる審議拒否戦術はあまりとらず、質疑を通じて政府を追いつめていくことを重視しました。そのことが功を奏して、裁量労働制データの問題で政府を追いつめ、安倍総理に謝罪させ、法案の一部を撤回させる結果につながりました。やはり国会論戦・政策論争を通じて政府を追いつめ、行政の誤りを正していくことが、いちばんの正攻法だと思います。

衆議院では予算の審議は終わりましたが、これからは法案の審議が始まります。アベノミクスの評価、沖縄の米軍基地問題、教育無償化の論争、子育てや生活保護の問題など、国会で議論すべき政策課題はたくさんあります。引き続きがんばります。

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