立憲民主党の国会改革(2)

前回のブログに続いて、今回は国会改革案の中身についてご報告します。立憲民主党の国会改革案の序文を引用し、まず背景について述べます。

橋本行革以来一貫して首相の権限が強化されてきたが、その結果として首相とその側近への「忖度」により行政がゆがめられ、国会の行政監視機能が十分に働かなくなっている。行政府が国会の国政調査権を無視する異常事態も起きており、その最たる例が、財務省による公文書の改ざん問題であり、防衛省の日報問題である。このような「強すぎる行政府」の暴走を抑えるには、立法府の行政監視機能を強化する必要がある。国会で多様な意見を踏まえた健全な議論がなされ、立法府と行政府が適度の緊張感を保てる状況を回復する国会改革こそが求められる。

あわせて国会の立法補佐機能や調査機能の強化、女性議員が活躍しやすい環境整備、国会のムダ削減といった課題にも取り組む必要がある。

通常国会中に自民党の有志議員の会が出した「国会改革」には、総理や大臣の国会出席を減らすような提言、与野党の合意によらない委員会立てを正当化する提言など、国会の行政監視機能を弱体化させるような危険な提言が随所に見られました。政府与党に都合のよい「国会改革」は、改革の名に値しません。

そこで立憲民主党としても「まっとうな国会改革」を提案すべき、という雰囲気になったのだと思います。安倍一強のもとで「何でも官邸主導」という風潮が出てきて、国会対応まで官邸主導の色合いが濃くなりました。

「強すぎる内閣」が、「弱すぎる国会」を軽視し、役所が公文書を改ざんしたり、役人が国会でウソの答弁をするようになりました。こんな時期の国会改革は、「弱すぎる国会」を強くする改革でなくてはなりません。

国会が弱いという時には2つの意味があります。(1)野党が弱体であること、そして(2)与党内で総理や官邸にモノを言えない雰囲気であること、の2つです。

安倍一強政治のもとで、自民党内で異論が許されない雰囲気になり、与党が政府に物申すことがなくなりました。かつての自民党政治では、首相が誤った方向に進む時には、自民党内の反主流派が抵抗し、国政にバランス感覚と緊張感をもたらしました。いまの自民党では安倍一強政治が続き、秋の自民党総裁選も無風に近いと噂されています。与党内のチェックアンドバランスも機能しない中では、国会で野党の行政監視機能を強化する必要性がますます高まっています。

自民党の有志議員の国会改革案では、国会の審議をスキャンダル追及と法案審議に分け、スキャンダル追及は特別委員会で行う、といった提言がありました。しかし、通常国会で疑惑追及を阻んできたのは、自民党の理事でした。また「スキャンダル」の定義も人それぞれですが、森友学園の国有地売却や加計学園の補助金に関わる疑惑は、予算執行や補助金選定手続きの適正さに関わる疑惑であり、興味本位のスキャンダル追及ではありません。森友学園・加計学園の問題は、スキャンダル追及というより、行政が歪められたか否かを問う本質的な問題でした。

また、衆議院予算委員会の理事会で、疑惑究明のための資料提出や証人喚問を拒んでいたのは、自民党の筆頭理事でした。自民党議員が協力すれば、証人喚問うんぬんや資料提出うんぬんで争う必要はなかったわけです。特別委員会や特別調査会がなくても、与党議員が疑惑解明に協力すれば、すいすい審議が進んだはずです。

現行制度の枠組みのなかでも与党が協力すればできることなのに、それを制度の問題にすり替えているのが、自民党の有志議員の国会改革案の欠陥です。自民党側の「やる気の問題」なのに、「制度改革の問題」にすり替えています。結局は「野党はスキャンダル追及ばかり」と批判したいのでしょう。

立憲民主党はあくまで国会機能を強化するという観点で国会改革を提案します。国会の行政監視機能を強化する改革、野党の議員提出法案の審議を充実させて立法機能を強化する改革、といった観点で提言を作りました。

また、長くなったので、次回に続きます。

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