安倍政権は本当に圧勝だったのか?

先の衆議院選挙の結果、自公政権が3分の2の議席を確保し、改憲勢力を合わせれば憲法改正の国民投票への道を一歩一歩進んでいるように見えます。

しかし、本当に安倍政権の圧勝だったのでしょうか?

よく知られている通り、比例区の得票率でいえば、自民党33.28%、立憲民主党は19.88%であり、それほど大きな差とは言えません。希望の党の比例区得票まで合計すれば、自民党の比例区得票を大きく上回ります。

他の見方をすると、さらに自民党が「圧勝」とは言えないことが明らかになります。毎日新聞専門編集委員の倉重篤郎さんが「自公の高揚感なき勝利を今後の行方」(月刊マスコミ市民187号、2017年12月号)という文章を書かれています。

そのなかで「仮にドイツ型の小選挙区比例代表併用制だったらどういう議席配分になるか」を計算しています。ドイツは「小選挙区比例代表併用制」を採用し、比例代表が基本となる議席配分です。

日本は「小選挙区比例代表並立制」を採用し、言葉の上ではよく似ていますが、小選挙区制を基幹にしている点が異なります。ドイツの選挙制度の方が、死票が少なく、より民意を反映しやすくなっています。

倉重さんの計算によると、ドイツ型の「小選挙区比例代表併用制」で各党の議席を計算すると次の通りです。

自民党  162

立憲民主 96

希望   85

公明   58

共産   36

維新   28

衆議院の過半数は233ですが、自民党の単独政権には程遠く、自公でも220なので自公政権は崩壊です。安倍総理の退陣は確実だったでしょう。メルケル首相とはちがいます。

ドイツ型の選挙制度であれば、野党連立政権をつくることさえ可能だったかもしれません。こうしてみると安倍政権への支持は圧倒的とはほど遠く、小選挙区制度の弊害があらわになった総選挙だったと言えるのかもしれません。

私は以前から「小選挙区制に基づく二大政党制はやめるべき」という考えでした。その考えの正しさを確信した総選挙でした。

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