枝野代表と私のめざす方向

枝野幸男代表のインタビュー記事(12月12日付けロイター:ネット配信)を読んで、「やっぱり立憲民主党に入ってよかった」とつくづく思いました。枝野さんとは、10年ほど前にちがう政党に所属していた頃からのつき合いです。その頃から「枝野さんは自分と同じことを考えているなぁ」と思っていました(図々しいかもしれませんが)。

*ご参考:2017年12月12日付ロイター:https://jp.reuters.com/article/edano-interview-idJPKBN1E61CR

2009年4月30日に書いた私の国政レポートを読み返していたら次の記述がありました。

介護や子育て(保育)サービス等の『人にやさしい雇用対策』や失業者や非正規雇用者向けの職業訓練等の『人に対する投資』を重視すべき

ちょっと前の民進党の基本政策の「人への投資」とほぼ同じ主張です。そして枝野さんも10年以上前から同じような主張をされていました。

成熟した人口減少社会では、公共事業に税金を使うよりも、医療や介護、保育などの社会保障に税金を投入した方が、乗数効果(経済的な波及効果)が高くなります。雇用政策と景気対策という観点からみても、ハードのインフラ建設よりも、介護や保育の方が効果的です。

そのことを指して私は「新しい公共事業」と名付けましたが、10年前には世間でまったく受け入れられませんでした。ネーミングのセンスが悪かったのかもしれません。

枝野さんも10年以上前に「平成版ニューディール」と称して、私と同じような主張をされていました。景気回復のためには、個人消費の喚起が必要であり、そのためには社会保障を充実させて将来不安を払しょくし、介護や保育などの分野で働く人たちの賃金を底上げすることを訴えていました。

私が「新しい公共事業」と呼び、枝野さんが「平成版ニューディール」と呼んだ政策は、ほとんど同じでした。ある人がそのことに気づいて、「山内さん。民主党の枝野さんが、山内さんと同じこと言っていますよ」と教えてくれました。それがきっかけで、枝野さんとのおつき合いが始まりました。

ロイターの枝野さんのインタビュー記事を「そうそう!」と激しくうなづきながら読みました。一部を抜粋させていただきます。

Q.今後、どうやって党を拡大させていくか。小さくても政策重視か、それともある程度幅を持たせるか。

A.明確に前者。これまで一定の幅が必要だと思っていたが、それは国民に受け入れられないというのが今回の選挙。広げるために理念政策をあいまいにしてはいけない。

私もまったく同感です。民進党の左右バラバラ感は問題でした。極右団体の日本会議に所属する議員が民進党には何人(何十人?)もいましたが、立憲民主党にはいません。それだけでも気分がいいです。少なくとも歴史認識、分配政策、原発政策では、党内で一致する必要があると思います。

他の野党と選挙協力したり、選挙区をすみ分けたりするのは、安倍政権を倒すために必要なことです。しかし、選挙協力のためにひとつの政党にまとまる必要はありません。ヨーロッパでは連立政権が常態化しています。自公政権も長いこと続いていますが、自民党と公明党がまったく同じ政策や理念を持っているわけではありません。

政策や理念の一致を重視して、小さくてもまとまりのよい政党がよいと思います。無理やり複数の政党を束ねて、図体を大きくする必要はありません。

Q.民進党から立憲民主党に合流する動きがあるが、どう対応するか。

A.来る者は基本的に拒まない。わが党の政策を前提に一緒にやりたい人はウェルカム。

地元で報道関係者に質問されたら、同じ答えをしようと心に決めました。なお、ここでのポイントは「わが党の政策を前提に一緒にやりたい人」と限定している点です。政党単位で離合集散する動きには乗らず、「個人として立憲民主党に入党したい人は歓迎する」という意味だと思います。他党と合流すると、どうしても政策や理念で妥協が生じます。政党と政党の合併や合流ではなく、政治家個人が立憲民主党に入党するかたちになるということでしょう。

Q.経済政策で、自民党との違いはどこか。

A.「成長なくして分配なし」ではなく、「分配なくして成長なし」。内需の拡大のためには適正な分配が先行しなければならない。これが明確に自民党と違う。

このブログのむかしからの愛読者の皆さまは、私の主張と同じであることにお気づきと思います。近年の国際機関や経済学者の研究結果も「格差は成長を阻害する。適切な再分配政策が成長を導く」と結論付けています。

Q.消費税についての考えは。

A.私は財政規律論者だが、特に今、消費不況の原因のひとつとして心理的要因が大きいので、当分は上げるべきではない。(自民党の)所得税の改革は、本当の富裕層の増税にならず、中間層の増税になっている。なにより企業の内部留保を吐き出させなければだめ。

私も同感です。ノーベル経済学者のスティグリッツ教授も同意見です。この20年ほどで下げ過ぎた法人税を適切な水準まで戻していく必要があります。

Q.そのために何をすればいいのか。

A.単純に法人税を大幅に増税すればいい。内部留保そのものに課税するというのは筋が悪い。正確に言えば、法人所得税の税率を上げるべき。

これまた同感。内部留保はすでに課税済みなので、さらに課税するのは理屈が立ちません。

Q.憲法改正について。安倍首相の改正案への対案を出すつもりはあるか。

A.なぜ出さないといけないのか。今のままで特段困ることはない。むしろ今やるべきは安保法制の違憲部分をやめるべき。これが最優先課題。

まったく同感。憲法は大事だからこそ、急いで結論を出すべきではないと思います。

保守政治家のチャーチルはこんなことを言っています。

国家の強靭さとその文明の性格は、建築現場で足場を組んだり、機械を組み立てるようにして出来上がるものではない。その成長はむしろ植物や樹木の生長に近い。育てることに比べたら木を切り倒すことはひどく容易なものだ。だからこそ次の木を植える前にその木を切り倒してはならない。

安倍総理の改憲論は、木を切り倒すことばかり考えているように見えます。戦後の民主主義や平和主義は、日本の風土に根づいた大木だと思います。それを安倍総理は無理やり切り倒そうとしていますが、自民党の次の木はかなり心配です。次の木が育つかどうかあやしいものです。

安倍政権はこの5年間で木を伐りまくってきた感じがします。アベノミクスの異次元緩和は、樹木を大量に伐採しては火をつける略奪的焼畑農業みたいなものです。その後の森林の再生を担う人たちは苦労します。

アベノミクス敗戦後の焼け野原に、木を植えて育てていく準備をしなくてはいけません。今のうちからタネをまき、苗木を育てなくてはいけません。それができるのは、枝野代表率いる立憲民主党です。まっとうな政治を取り戻すため、私も枝野代表を支えてともにがんばります。

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