骨髄移植のドナー候補に

衆議院議員選挙の正式な候補者に決定する前に、なぜか骨髄移植ドナーの候補者になりました。大学生の頃から骨髄バンクに登録していますが、ドナー候補として声をかけられたのは3回目です。約24年間で3回なので、平均すると8年に1度しかお声がかかりません。めったにないことです。しかし、なぜか衆参同日選挙が噂され、事務所の立ち上げで忙しい、この時期にドナー候補に指名されました。

自分の政治生命が崖っぷちというタイミングで、他人の生命を救うために入院するのも不思議なご縁です。選挙は落選しても再チャレンジできますが、白血病の患者さんにとって移植手術がおそらく最後のチャンスだと思います。多少は選挙対策で不利になっても、この際だからドナーになろうと、昨日近くにある九州医療センターというところに血液検査と確認検査に行きました。

1人の患者さんに対して、そのドナー候補者は全国で3~5人選ばれます。前回ドナー候補として声をかけられたときは、私の健康診断の結果は良好でしたが、最終的にはドナーに選ばれませんでした。おそらく私より条件がよいドナー候補が見つかったのだと思います。たとえば、40代の中年男性(=私)より、20代の男性の若者の方がドナーには適しているケースが多いです。採取できる骨髄の量は体重に比例するため、体格のよい人の方が選ばれやすいかもしれません。

そういうわけで、私が実際にドナーになるかどうかはわかりません。昨日の血液検査の結果が悪かったり、他のドナーが選ばれたりした場合には、私は骨髄提供する必要がなくなります。しかし、もしドナーに選ばれると、何度も病院に通って検査や注射をし、骨髄採取の際には数日入院しなくてはいけません。自慢じゃないですが、私は入院したことがありません。まったく健康なのに、人生初の入院という可能性もあります(逆に健康でないとドナーになれません)。

ドナーになる意思を確認するため、移植コーディネーターから、手続きやドナーのリスクを説明されました。過去に骨髄バンクで1万9千件の移植手術が行われて、ドナーの死者はゼロです。たまに起こる事故でも後遺症が残るような事例はほとんどなく、そんなにリスクはないことは理解できます。しかし、少ないとしても、多少はリスクがあることを丁寧に説明してくださいます。

さらに身体に注射針を何度も何度も打つので全身麻酔をやり、退院しても数日は痛みが残るそうです。コーディネーターは「いかに痛いか」を丁寧に説明してくださるのですが、それを聞いていると怖くなってきます。聞いているだけで、痛くなりそうです。そうはいっても「痛そうだから、やっぱりやめます」とは言いづらい空気があります。学生時代は献血に行ったついでに、気楽に骨髄バンクに登録したのですが、こんなに痛い手術を受けるとは思っていませんでした。若気の至りでしたが、いまさら後へはひけません。

ちなみに、移植のドナーになっても、患者さんとの交流は数回の匿名の手紙だけです。ドナーも患者さんもお互いに相手がどんな人かわからないような仕組みになっています。相手が特定できてしまうと、金銭のやり取りとか、へんなトラブルのもとになるためだそうです。せいぜい「九州地方の40代の男性がドナーです」という程度の情報しか開示されないそうです。骨髄ドナーというのは、金銭的な報酬がないのは当然として、「自分が生命を助けた相手の名前も知らされない」というストイックなボランティア活動です。個人的には、「人の生命を助ける見返りに、私の政治生命を救ってください」と神様にお祈りしたい気分です。

なお、骨髄バンクからもらった「ドナーのためのハンドブック」には、次のような注意書きがあります。

「提供に関することをインターネット(ブログやソーシャルネットワークサービスなど)や会報誌、新聞への投稿など不特定多数の人の目に触れる媒体で紹介するときは、提供日時・場所など、お互いが特定される可能性のある情報は公表しないでください。」

したがって、骨髄の提供が確実になり、移植手術の時期が近づいてくると、ブログには骨髄移植手術のことは書いてはいけないルールになっています。骨髄提供について記述するのは、このブログで最後にします。続報はありませんが、もしドナーになることができたら、何年後かに体験談でも書いてみたいものです。もっともコーディネーターの方の経験則では、ドナー候補の3人に1人くらいしか実際にはドナーにならないそうです。どうなることやら。「痛いのは嫌だけど、人助けはしたい」という微妙な立場です。

なお、この機会に骨髄バンクについて知りたい方は、ぜひ骨髄バンクのホームページにアクセスしてみてください。骨髄移植を待っている人が毎年2千人いるそうです。ドナー登録する人が増えるほど、生命が助かる患者さんの数も増えます。

日本骨髄バンク
日本骨髄バンクの公式サイトです。一人でも多くの患者さんを救うために、骨髄移植と骨髄バンク事業についてご理解ください。

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