森喜朗元会長への「老害」批判の問題

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員長だった森喜朗元首相が、女性蔑視発言の責任をとって辞任しました。女性蔑視発言は言語道断であり、辞任は当然です。

しかし、気をつけないといけないのは、「森元会長は老害だ」みたいな批判が出てくると、高齢者差別という別の差別に転化する危険性があります。高齢者を差別する「老害」などという言葉は、女性蔑視発言と同等の人権侵害です。「老害」という言葉は使わない方がよいと思います。

森元会長の女性蔑視発言は、森氏の個人的な問題であり、高齢者に関わる世代的な問題ではありません。悪いのは森元会長であって、ご高齢の方が公職に就くこと自体が悪いわけではありません。

人生経験を積んだ高齢者が、重要なポストに就いてはいけないということはありません。大切なのは適材適所です。若くても高齢でも男性でも女性でも適任の人がそのポストに就くことが大切です。

日本では年齢差別はあまり大きな問題になっていないように思いますが、これからは年齢差別にも敏感になるべきだと思います。特に日本は超高齢化社会を迎えます。若くして病気や事故で亡くならない限りは、誰だってそのうち高齢者になります。高齢者に対する差別は、すべての人にとって自分自身の問題だと思います。

歴史をふり返ると高齢で立派な業績をあげた人もたくさんいます。政治の世界でいえば、英国のチャーチル首相が2回目に首相に就任したのは77歳のときでした。西ドイツの奇跡の戦後復興を達成したコンラート・アデナウアー首相は72歳で就任して87歳まで14年間の長期政権を担いました。

森元会長の後任には、女性蔑視発言の後だけに、女性の会長が望ましいという点は納得できます。しかし、後任の会長の選定では「高齢者はダメ」という基準は持ち込んではいけないと私は思います。

最後に、あんまり主題には関係ありませんが、私の個人的な野望を書かせていただきます。私はいま47歳ですが、まだやり残したことだらけなので、しばらくは衆議院議員を続けたいと思います。政権交代を実現して、その上で外務大臣と文部科学大臣をやりたいと思っています。

いま当選4回だから、次の選挙も当選して、さらに政権交代が実現できれば、当選5回で閣僚の有資格者です(いちおう?)。次の次の選挙まで連続当選して、次の次の総選挙で政権交代できれば、当選6回になるので閣僚になるための条件はさらに整います。

外務大臣か文部科学大臣をやって、ある程度は自分の理想の政策が実現できれば、どこかのタイミングで引退します。できれば、まだ体力が残っている60歳代後半くらいで政治の世界から身を引いて、内戦や紛争が終わったばかりの新興国政府の政策アドバイザーをやりたいと思っています。

JICA職員として働いていたときに発展途上国に政策アドバイザーを派遣する部署にいたので、政策アドバイザーがどんな仕事かはだいたい想像できます。その手の仕事は、若者よりも人生経験と実務経験の豊富な高齢者の方が向いています。政治と行政の世界で十分に経験を積んだら、紛争後の復興に取り組む国の政策アドバイザーになるのが、私の遠い将来の夢です。

フィリピンのミンダナオ島のイスラム教徒自治区とか、インドネシアのアチェ特別区とか、内戦が終わった後の国づくりや民主主義や法の支配の実現に取り組むのが、衆議院議員引退後の理想の仕事です。

そのためにコツコツと密かに英語の勉強を続けています。その夢が実現する頃には私も高齢者になっているはずなので、「老害」批判をされたら困ります。皆さまも高齢者差別には気をつけましょう。「老害」などという言葉は死語にしなくてはいけません。