言って後悔、言わずに後悔

人は2つのタイプに分けられます。
言って後悔するタイプ。
言わずに後悔するタイプ。

私は後者の「言わずに後悔するタイプ」です。
しかも、慎重すぎて「言わない」のではありません。
単に、忘れていて「言わない」というパターンです。

たとえば、5分くらいスピーチする場面があるとします。
だいたい5つくらいの論点を用意して話そうと計画します。
しかし、話し始めると5つのうち1~2は言い忘れます。

持ち時間をオーバーしたら主催者に迷惑をかけると思うと、
それがプレッシャーになって緊張してしまいます。
緊張すると言い忘れが発生する確率が高まります。

政治の世界に入って、はや11年になりました。しかし、いまだに人前で話すのは得意ではありません。話すことに関して、苦手意識は抜けません。スピーチの本を読んだり、言語学者の本を読んだりしても、得意にはなりません。場数を踏んで緊張する度合いは減りましたが、まだまだ「スピーチが得意」という域には達しません。特に初めての人の前だと緊張して言い忘れやすくなります。

事前にメモを用意していくこともあります。
しかし、メモに書いていても、やはり忘れます。
どんなに準備していても、忘れる時は忘れます。

例えば、開所式に行って、開所のお祝いを言い忘れたりします。
いちばん肝心なことを最初に言うつもりが、忘れてしまいます。
いちばん最後に重要なことを言うつもりが、それも忘れます。
あとになって気づいては、後悔しています。

司会者から「5分以内でお願いします」などと言われても、
5つの論点のうち1つは忘れてしまうパターンが多いので、
4分で終わってしまうこともたびたびです。

一般的に、「政治家は話が長い」と言われますが、
私の場合は、かなり短く終わることも多いです。
「エッ、それだけ?」と言われたこともあります。

かつてNHKの日曜討論によく出演していましたが、各党の1回の発言の持ち時間が1分でした。1分を超えるとテレビカメラに映らないところにあるランプが点滅し、司会の島田論説委員(当時)がジェスチャーで短くするようにプレッシャーをかけます。1分で終わらずに話し続ける政治家が多いなかで、私はだいたい50秒以内に終わって、持ち時間を余らせていました。おかげで司会者からはいつも感謝されていました。

テレビのコメンテーターの発言は40秒以内が多いと何かの本で読みました。テレビでは長すぎる発言は受けないそうなので、50秒でも視聴者は長いと感じているのかもしれません。NHKの日曜討論では、他の政治家の発言は確かに長くて、目の前のランプがしょっちゅう点滅していました。私は「早く終われランプ」を点滅させたことがほとんどありません。

長すぎるよりは、短すぎる方が、主催者や司会者に迷惑をかけることは少ないと思います。そう考えれば、話が短すぎるという失敗は、そんなに深刻な問題ではないかもしれません。むしろ問題は、話のポイントを1~2つ忘れてしまうことです。何らかの工夫を考えていかなくてはいけないと反省しております。

なお、もちろん「言って後悔」も何度もありました。しかし、「言って後悔」の実例は、「言わぬが花」なので、割愛させていただきます。

関連記事

  • 2018年に読んだ本のベスト102018年に読んだ本のベスト10 毎年恒例ですが、その年読んだ本のベスト10をご紹介させていただきます。無趣味な私の唯一の趣味といってよいのが読書です。本当は小説や歴史の本が大好きですが、仕事に関係のない本はなる […]
  • 宇沢弘文「人間の経済」【書評】宇沢弘文「人間の経済」【書評】 タイトルにひかれて手に取った本ですが、経済学者の宇沢弘文氏の「人間の経済」(新潮新書、2017年)はよかったです。190ページの新書なので薄っぺらですが、中身が詰まっていて、それ […]
  • ポール・クルーグマン「格差はつくられた」【書評】ポール・クルーグマン「格差はつくられた」【書評】 時事ネタの本は、古くなると古本屋で激安になります。2008年刊の古い本ですが、タイトルにひかれてブックオフで360円で買ったのが、ポール・クルーグマン著「格差はつくられた」です。 […]