原子力問題特別委員会の野党筆頭理事に

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今国会から衆議院の原子力問題調査特別委員会の「野党筆頭理事」に就任しました。原子力問題特別委員会の運営に関する野党側の責任者ということになります。原子力問題特別委員会の理事会に出席し、与党や政府との調整業務を担当します。

衆議院には(参議院にも)、「常任委員会」と「特別委員会」の二種類の委員会があります。「常任委員会」は文字通り常設で、内閣委員会、総務委員会、予算委員会など17あります。他方、「特別委員会」は、議院が「特に必要があると認めた案件、または、常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため」に設置されます。

通常は、国会開会日に特別委員会の設置が議決され、国会が終わるといったん解消されます。なお、一般的に与野党で合意した上で特別委員会が設置されることが多いです。通常国会の初日に特別委員会の設置が議決され、特別委員会の委員長や理事が互選で選ばれるのが原則です。しかし、実際には与野党合意の上で円満に決まります。

今国会でも原子力問題調査特別委員会の設置が与野党で合意され、委員長は自民党から出し、理事8人は主要会派の議席数に比例して選出することになりました。現在の理事8人のうちわけは、自民党5人、立憲民主党2人、公明党1人という構成です。

与野党で合意しているので、国会初日の最初の委員会における委員長と理事の選出プロセスは一種のセレモニーです。委員会で発言するのは3人です。委員長が決まるまで暫定的に委員長の職務を代行する「年長者」、野党筆頭理事、委員長候補者の3人です。

通常は「年長者」には議員歴が長い議員が選ばれる慣例です。今回の原子力問題特別委員会では、立憲民主党の荒井聰代議士が「年長者」に選ばれました。野党筆頭理事は私。委員長候補者は自民党の渡辺博道代議士です。シナリオ通りの委員会の運びはこんな感じです。

年長者:荒井議員

「これより会議を開きます。衆議院規則第百一条第四項の規定によりまして、委員長が選出されるまで、私が委員長の職務を行います。これより委員長の互選を行います。」

野党筆頭理事:私

「委員長!」

年長者:荒井議員

「山内康一君」

野党筆頭理事:私

「動議を提出いたします。委員長の互選は、投票によらないで、渡辺博道君を委員長に推薦いたします。」

年長者:荒井議員

「ただいまの山内康一君の動議にご異議はありませんか。

(*ここで各議員が「異議なし」と声をあげます。)

ご異議なしと認めます。よって、渡辺博道君が委員長にご当選になりました。委員長 渡辺博道君に本席を譲ります。」

委員長:渡辺議員

「この際、ひと言ご挨拶申し上げます。(中略)

これより理事の互選を行います。」

野党筆頭理事:私

「委員長!」

委員長:渡辺議員

「山内康一君」

野党筆頭理事:私

「動議を提出いたします。理事はその数を8名とし、委員長において指名されることを望みます。」

委員長:渡辺議員

「ただいまの山内康一君の動議にご異議ありませんか。(「異議なし」の声があがります。)

ご異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に、伊藤忠彦君、江渡聡徳君、津島淳君、中村裕之君、細田健一君、長尾秀樹君、山内康一君、及び、中野洋昌君、以上8名の方々を指名いたします。」

といった流れでシナリオ通りに、委員長と理事の互選が行われます。もちろんその場で委員長や理事を指名するのではなく、各会派から事前に候補を届け出てあります。

与党の委員長を推薦するのが野党の筆頭理事というのがおもしろいところです。野党議員の私が自民党議員を委員長に推薦し、自公の議員も私の提案に賛成するというねじれた構図です。与野党で一致して委員会運営を行っていることを、象徴的に表す儀式なのかもしれません。世間の方々は「与党と野党の議員はいつも口汚くののしり合っている」というイメージをお持ちかもしれませんが、ふだんのつき合いは意外と紳士的です。

委員会運営にあたっては、必ず事前に理事会(または理事懇談会)が開かれ、与野党が合意した上で議事が進むのが通例です(異例なときだけ、強行採決が行われます)。こういった与野党間の議事日程の調整を行うのが、国会対策委員会と各委員会の理事会です。

国会議員の仕事はいろいろあります。政策に関する調査をしたり、専門家や有権者のご意見をうかがったり、法律案を検討したりといった仕事もありますが、目立ちませんが国会内での調整業務もけっこうあります。今国会は野党筆頭理事に就任したので、そういった調整業務もコツコツやることになります。

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