スピーチの失敗の研究

今日は後援会の時局講演会を開催しました。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。暑いなか、また、日曜日にも関わらず、ご参加いただき、心から感謝申し上げます。

しかし、今日は(というか今日も)スピーチがうまく行かなくて、げんなりして事務所に戻ってきました。主催者のあいさつなので、ちょっと長めの10分用のスピーチ原稿を用意しましたが、言い忘れたことも多く、早口になってしまい、おそらく7分くらいで終わってしまいました。

この失敗から教訓をくみ取るために自己分析します。今回の失敗の過程は次の通りです。

(1) 本番4~5日前に10分程度の原稿(3000文字)を書く。【初稿】

(2) 一晩寝かせて、翌日に再度原稿を手直しする。【第二稿】

(3) 当日の朝に最後の原稿の手直しをする。【最終稿】

(4) 原稿はだいたい頭に入っているという前提でスピーチの場に臨む。

(5) スピーチが始まり、大勢の前に出ると急に緊張して、アタマが真っ白になる。

(6) さらに、せっかく用意してきたからと、原稿の内容を全部言おうとして早口になる。早口になると、かみやすくなる。かむとあせる。あせってさらにアタマが真っ白になる。

(7) そして言いたいことの4割くらいは忘れる。他方、言うつもりのなかったことを1割くらい思いつきでつけ加える。

(8) 差し引きで用意した原稿の7割の内容しか話さないので、予定より早く終わる。

(9) 終わった時に「やっちゃった」という悔いが残り、反省し、自己嫌悪におちいる。

(10) そしてしばらくすると次のスピーチの機会がやってくる。

このようにいつも Plan ⇒ Do ⇒ Regret ⇒ Action のPDRAサイクルです。失敗するスピーチのパターンでは、「計画⇒実行⇒後悔⇒行動」のサイクルが空転します。

今回は準備し過ぎて、準備した内容を無理して全部言おうとして早口になり、あせって言い忘れる、という失敗パターンでした。他方、準備不足で失敗するパターンもよくあるので、準備不足の時でも油断は禁物です。

要するに、失敗するパターンは、(1)準備し過ぎて失敗するパターン、(2)準備不足で失敗するパターン、の2つに分類できることが判明しました。

政治家生活13年目に突入しましたが、あいかわらずスピーチに対する苦手意識があり、進歩しません。これまでの経験では、1~3分の短いスピーチは、ポイントを絞って準備すれば何とか乗り切れるようになってきました。

また、大学や高校の講義や勉強会の講師といった場面で、30~60分程度のまとまった時間で特定のテーマについて話すのはそこそこできるようになりました。30~60分の講演であれば、ときどきは「今日はうまくいったかも」と思うこともあります。

しかし、私の場合は、5~15分のスピーチが一番苦手で、一番失敗しやすいゾーンです。次は失敗のリスクを減らすため、10分のスピーチはやめて、3分または30分のスピーチにしようと思います。今回のスピーチの失敗から得られた教訓でした。