アルマーニの制服への違和感

東京都中央区の区立泰明小学校の制服(標準服)に8万円のアルマーニの制服を導入することの是非が話題になっています。言語道断だと思います。

そもそも小学校に制服はいらないと思います。百歩譲って私立小学校であれば、親の選択の自由でもあるので、制服があってもよいと思います。しかし、だれでも入学できる公立小学校では、制服はそもそも望ましくないと思います。

いまやLGBTの人たちへの配慮もあり、中学校や高校ではジェンダーフリー制服の導入が議論される時代です。小学校でもそういう配慮が必要なので、制服選びは慎重にならなくてはいけません。だったらいっそのこと小学校レベルでは制服なしでもいいと思います。

それから昔だったら「制服があったほうが、家庭の貧富の差が服装に表れないから望ましい」という考え方も成り立つかもしれませんが、いまはユニクロとかで服を買えば、低コストでちゃんとした服が買えます。アルマーニの8万円の制服なんて、買えない家庭が出るかもしれないことを考えれば論外だと思います。

格差社会の今日、高価な制服を導入した上で「買うのも買わないのも各ご家庭の自由です」ということでは、家庭の所得格差が服装で可視化されることでしょう。社会の分断線を服装が示すことになりかねません。

発展途上国でも小学校の制服が導入されているケースがありますが、貧しい家庭では制服が買えなくて小学校入学をあきらめることさえあります。日本でもこれだけ格差が広がり、子どもの貧困が深刻化するなかで注意が必要です。