バイデン政権の成長戦略はすばらしい!

昨年の米国大統領選挙でバイデン大統領が勝って本当によかったと思うことがたびたびです。4月28日にバイデン政権が、成長戦略の第二弾として「米国家族計画」を発表しました。とてもよい内容だと思います。

成長戦略の第一弾はインフラ投資などの「米国雇用計画」でした。今後8年間で総額2兆ドルを、老朽化した道路や橋の補修、全国50万か所の電気自動車充電ステーション設置、電力網や高速通信網の整備、200万以上の住宅やビルの改修(省エネ改修)の他、高齢者・障がい者施設の整備などに投資します。ケアワーカー(介護、保育等)の処遇改善にも力を入れます。

財源としては、2017年に35%から21%に引き下げた法人税率を28%に引き上げるほか、多国籍企業の海外利益に対する課税強化、石油やガス産業に対する減税措置の取りやめ等をを原資にあてる方針です。より公平かつ環境にやさしい税制へとシフトします。

そして成長戦略の第二弾は、主に中産階級向けの社会保障拡充を軸とする「米国家族計画」です。予算規模は減税措置を含めて約1.8兆ドル(約200兆円)に上ります。所得税の最高税率の引き上げやキャピタルゲイン課税の強化などの富裕層の増税で財源を確保し、経済格差の是正をめざします。

まずおもしろいのは、家族関係支出を「成長戦略」と位置づけている点です。日本で野党(主に立憲民主党)に対して向けられる批判のひとつは「成長戦略がない」という批判です。「野党は社会保障の充実や所得再分配を訴えるだけで、成長戦略がない」といったフレーズで批判されてきました。

しかし、バイデン政権は、家族関係支出を増やし、経済格差を是正することが、「成長戦略」だとハッキリ位置づけました。私たち立憲民主党もみならうべきだと思います。そもそもアベノミクスの成長戦略は効果がなかったので、「野党は成長戦略がない」という批判自体がナンセンスです。

成長戦略第二弾の米国家族計画では、育児支援や幼児教育機会の拡大、公立コミュニティカレッジ(短大に近い高等教育機関)の無償化などに10年間で1兆ドルを投じます。大学授業料無償化に向けたステップと言えるのかもしれません。子育て世帯への税額控除等にも力を入れます。米国は欧州に比べて家族関係支出が少なかったので、望ましい方向性だと思います。

米国は新自由主義的な経済政策と決別し、「小さな政府」路線から「大きな政府」路線へ舵を切りました。経済格差を拡大してきた新自由主義が終わろうとしています。日本でも同じ方向をめざして、政治の流れを変えなくてはいけません。